●ひなびた日記/03年7月後半●


(7月19日〜7月31日)

7月日記
7月2日 「近視の効用」 7月19日 「脱走!!」
7月4日 「安吾と宏」 7月22日 「ザ・プロレス」
7月9日 「一面の枯れたヒマワリ」 7月23日 「あくび指南」
7月11日 「完走」 7月24日 「新装開店!」
7月12日 「マヤの一生」 7月25日 「君の名は」
7月13日 「バカのうた」 7月26日 「今日のお客さま」
7月14日 「長いものに巻かれろ!」 7月27日 「おねだりバレリーナ」
7月15日 「ハシゴ」 7月28日 「共鳴」
7月16日 「デジャビュ」 7月29日 「おばあちゃん」
7月17日 「伴走雀」 7月31日 「蝶を捕る」

7月前半(7/2〜7/17)の日記へ

03/07/31「蝶を捕る」


 本日の登場人物


  ユキ



急ぎの締めきりが続くが、ユキが甘えて片時も離れない。
ちょっと私の姿が見えないと、大きな声で探して歩く。
自分の方にどれだけ心が向けられているか、大きな瞳でじっと見つめる。

家でする仕事は、永遠に終わらないのではないかと、いつも思う。
「You can do it.」という英文を見て、とっさに浮かんだ訳が
「ヨウちゃん、どいて」だったから、脳みそがかなり死んでいるとわかる。

風邪の咳もしつこくて、そんな時こそ早く寝ればいいのに、
ストレスを発散させなきゃ、と夜中にゲームにはまってしまう。

黒猫さんのサイトで紹介されていた「
ループ」というのが面白い。
太陽が沈むまでに、どれだけ多くの蝶を捕まえられるか、というゲーム。
冒頭にいきなりナボコフだ。
ボーナスゲームの夢の話がどれもシュールでちょっと怖い。
早く仕事を終わらせて、浴びるほどゲームをするぞ。



03/07/29「おばあちゃん」


 本日の登場人物


  ルノ



ルノの年齢が、これまで思っていたより4歳ほど上だということが判明した。
と、いうことは、ルノは10歳。ユキと同じぐらいなのか。
元の飼い主Mさんが、以前住んでいたところのご近所の方に
先日ばったり出会って、わかったそうである。
おばあちゃん猫が二匹になった。ちょっと、びっくりである。

ルノは元々野良猫だったらしい。それをあるおばあさんが、外で面倒を見ていたのだが、入院することになり、あとの世話を、動物好きのMさんが引き受けたのだった。そして、Mさんの引っ越しを機に、ルノはMさんのお家の子になる。

数年前に避妊手術をするまで、何度か出産しているルノは、
母性本能のとても強い子だった。
旦那さんの体調が悪くなるまで、Mさんのお宅にも10匹ほど猫がいたのだが、
新しい子は、いつもルノに任せていれば大丈夫、というくらい、
面倒見がよかったそうである。

うちに来てからは、人一倍べたべたの甘えん坊になったのだが、
Mさんは「きっとルノは、もう二度と捨てられまいと必死なんですね」と
心を痛めておられた。
かわいい子を手放さざるを得なかったMさんの気持ちを思うと胸が詰まる。

ルノはすぐお腹を見せてゴロゴロ言う。外で暮らしていた時の警戒心は
まるで感じられない。人間が好きで、スキンシップを好む。
大切にされていたのだな、と思う。

10歳かあ・・・。彼女の決して短くはない、これまでの人生を思う。
いろんな人間を見て、たくさんの経験をしてきたに違いない。
その賢い瞳に、何が映っていたのか。

最初は子猫のように、ガリガリだったというルノも、今ではずいぶん
ふっくらしている。
先日ワクチン接種の際に、念のため血液検査も済ませていた。
いずれにせよ6歳でも、そろそろシニア予備軍なので、
腎臓や肝臓の数値などが心配だったからだ。
結果はまるっきり良好で、年齢の割に歯もきれい、と褒めて頂いた。

さらに高齢ということがわかった今、これまで以上に健康管理に気をつけたい。
フードもシニアに切り替えたほうがいいだろう。
できるだけ長生きしてもらいたい。Mさん、どうか安心してくださいね。



03/07/28「共鳴」


 本日の登場人物


  父ちゃん 



オーソドックスな風邪をひいた。
そういって友人にメールしたら、「へそ出して寝てた?」と返ってきて
笑ってしまった。

鼻がふさがり、のどから胸にかけて、熱くて重いものがぺったりと張り付く
この感じは嫌いではない。でも、頭が痛いのにはまいった。
割れそうにズキズキと脈打つから、思考が分断されてしまう。
言葉を組み立てて物事を考えられないのは、とても嫌だ。

「風邪をひいた時の布団のなかの匂いが好き」と言ったのは、
プレイグスのvo.兼G.、フカヌーこと深沼君だったと思うけど、
ちょっとわかる、この感じ。

6月18日の日記を読んだ父ちゃんが「わかるなあ! 俺は地下鉄の音が時々、キングクリムゾンに聞こえる」と言っていた。わかるわかる! 
いいなあ、こういうの。



03/07/27「おねだりバレリーナ」


 本日の登場人物


  スー 



私が台所に立つと必ず、後から音もなく滑り込んでくるスーちゃん。
流しに手をかけ、精一杯のびあがって、ちらりと見上げる姿は本当に可愛くて、
たいちゃんやビルマ君でなくとも、めろめろになってしまう。

そして、右手は流しにかけたまま左手を放し、くるりん、と半回転して
真っ白いお腹を見せては、またくるりん、と戻ってくる。
また、くるりん、と華麗な回転を披露して、元のポーズに戻る。
まるで可憐なバレリーナさながらである。
この間ずっと、あの謎めいた大きな瞳で、じいーっと見つめながら
何度でも、これをやってくれるのである。

もう…たまりません! ほいほい、おやつをあげてしまう。
大概の人は、これで陥落するのではないかしら。
おねだり上手なスーちゃんである。



二、三日前、蝉の声を今年はじめて聞いたきり、まるで夏という感じがしない
涼しい日が続いているが、今日は日中、久々に蒸した。

犬の散歩に出かけ、いつものコースで坂を上っていくと、
ひんやりとした風がノースリーブの腕に心地よかった。

その時ふと、鼻先を何か懐かしい匂いがかすめた。
それは潮の香りだった。
だがよく考えてみれば、こんな街中にそんな香りが漂うはずもないのだ。
でも、それはとてもリアルな感じで、私の様々な記憶や感覚を呼び覚ました。

夜、風邪をひいて喉が痛かった。



03/07/26「今日のお客さま」


 本日の登場人物


  あおぞら 



雨の降り出す前に、と急いで夕飯の買い物から帰ってくると、
玄関の所に「遅かったじゃない。どこ行ってたの?」と
お客さまが待っていた。

それは、こちらの方。
「きれいに撮ってね」今日のお客さま。

「うわー!」と歓声をあげながら家に駆け込み、カメラを手に、とって返して
記念撮影。6cmくらいのジャンボくん。東京下町、いらっしゃいませ。
(<相米監督の「東京上空いらっしゃいませ」懐かしいなあ!)



夜、パソコンに向かう私が、突然けたたましく
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ・・・」と笑い出したので、
隣で勉強していた父ちゃんは、とうとう気が違ったか、と驚いて顔を上げる。

いやいや、そうではないのです。(と、思う)
パソコンを座卓の上に置いているのだが、正座して画面に向かう
私の裸足の足の裏を、あおぞらがぺろぺろ、なめてくれたのだ。
こそばゆいけれど、嬉しい。
お礼に肉球をくすぐってあげたら、あおぞらがくしゃみをした。
幸せな夜が更ける。



03/07/25「君の名は」


 本日の登場人物


  くま子



数日前に、くま子の子供を保護した、という知らせをもらっていた。
女の子で名前は「ちっち」ちゃんという。

この子は避妊手術して外に戻し、地域猫にするというが、
なんだか気になって仕方がなかった。
二日ほど悩んだ後、うちで預かって里親募集したいことを保護主さんに伝えた。

かつて、くま子の子供と思われる「やすし君」という男の子は、メスを優先して
保護しているうちに姿が見えなくなった。交通事故で亡くなったらしい。
もう二度とそんな目に遭わせたくはない。
避妊手術後、保護主さん宅で静養中とのことなので、「外に戻すのは待って」と
必死でメールした。

そのエリアに餌やりさんはいるのだが、避妊手術などには消極的で、この子は
まだこんなに若いのに、もう二度も出産していた。最初の子猫は厳しい寒さに
全滅し、この春生まれた子も、四匹のうち二匹が亡くなっている。また、今回の
手術のときに、すでにお腹に四匹、子供がいたそうで、本当に胸が痛くなった。

ちっちは餌やりさんに懐いていて、以前その家で飼われていたこともあったが、
発情が早く来たらしく、鳴き声がうるさいと、一度外に出されてそのままになっていた。

外には、ちっちの子供がまだ二匹いるらしい。
常に危険と隣り合わせの外にいる子は、ぐずぐず思い迷っている時間はない。
子猫とまとめて三匹、うちで預かろう!
「さ、三匹?」ちょっと声のトーンが高くなる父ちゃんを、お気に入りのくま子の娘と孫だよ〜と強引に押して了解をとりつけ、すぐメールを入れた。
「ちっち」ちゃん。美人はお母さん譲り。

ところが事態は急転直下、なんと「ちっち」は餌やりさんの元に、
家族として迎えられることになったのだ。
子猫二匹は、餌やりさんが責任を持って保護するので
里親探しは地元で行なうことになった。

実は保護主さんが、動物愛護法のことやこれまでのことについて、餌やりさんに
15枚にもわたる長い手紙を渡していたのだった。ちっちをこちらで預かって
里親募集することも伝えていた。
次の日まる一日、連絡がまったくなかったので、手紙が気に障ったのかと思いきや、家族会議を開いて、この子を最後の子にすると決心したそうだ。

そこにはすでに7匹猫がいて、ちっちの兄弟もいるらしい。
3階建ての大きなお宅だそうだ。
何よりも、ちっちがその人に懐いているというから、
きっとこれでよかったのだと思う。

ほんとは少し寂しいけれど、一度も会わなかった、くま子の娘の幸せを
心から喜びたい。



03/07/24「新装開店!」


 本日の登場人物


  トモロウ  喬太郎



キリー君ちの超多忙なじいや様に無理を言い、カウンタの準備が整ったので
不備なページもたくさんあるが、強引にリニューアルオープンを決行。
(じいや様、本当にどうもありがとうございます!)

人知れず過ぎた一周年を祝して。
そして父ちゃん、お誕生日おめでとう。

あの不幸な事件から、はからずも再生することができたこの拙いHPが、
どうかこれから先、細くとも長く続けられますように。
感謝と、人の痛みを忘れずにいられますように。



夜中、眠ろうとすると、ぱしゃぱしゃという水の音。
見れば、トモロウが喬太郎の水槽に手を突っ込んで、かきまわしている。
いちばん小さなトモロウは、蓋に開けた空気穴から十分手が入ってしまうのだ。

呼ぶと、いちだんと甘えた声ですりすりしてくる。
そして胸の上に丸くなって、おとなしく寝たふり。
私が寝たかなと思うや、またぱしゃぱしゃと、やり始める。
呼ぶとすぐ飛んできて、こんないい子はいませんよ、と甘えてアピール。
これを何度でもくり返す。天使の微笑みとともに。

自分のやってることが悪いことだとわかっている。
まったくもう。かわいい確信犯なのだ。

やっぱり水槽の蓋に網を張ったほうがいいかしら。
動物たちと暮らすのは、いつも知恵と工夫が試される。
彼らのほうがよっぽど頭がいいんじゃないか、と思うこともしばしば。
人間も進化しなくては。



03/07/23「あくび指南」


 本日の登場人物


  ビルマ  ルノ  ユキ



落語に「あくび指南」というのがある。
当世お稽古流行りで、とうとうあくびの指南所ができたというもの。
いかにも落語らしい、平和で幸せな噺である。
以前、上野の鈴本で金原亭伯楽師匠が演じたのを見た。

さて、静かな夜更け、ビルマが大きなあくびをひとつ。
目はつり上がり、耳は後ろへ、口をくわっと奥まで開けて、
まるで顔がそのまま裏返りそうな勢いだ。
何もそこまで・・・と思うほど。

すると隣で、ルノがこれまた同じく大あくび。
またまた隣でユキも負けずに大あくび。
まったく同じ形である。
それを見ていた私まで・・・。
げに長閑な我が家である。



犬の散歩で、毎日のように通りかかる八百屋さんがあった。
それがいつのまにか、店じまいをしてしまった。
いかにもローカル局といった風のラジオのおしゃべりが
店先にいつも流れていて、
街角にそうしたお店のある風景が、とても好きだった。

いつか覗いてみようと思っていた、囲碁教室の貼紙も、
壁に四角いテープの跡だけ残して、すっかりはがされていた。
ああ何だか、とても惜しいことをした気がした。



03/07/22「ザ・プロレス」


 本日の登場人物


  トモロウ  公平



仕事用の一筆箋を買いに丸善に寄ったら、思うようなものがなく、
かわりにこんなものを発見。



迷わず購入。久々に、ささやかな贅沢をした気分。



わが家のプロレスで、いちばん多いカードはトモロウvs公平である。
この二人、どちらも負けん気が強いので、見ていて飽きない。大いに笑える。

公平が体勢を低くして、下から飛びつく隙をねらえば、
トモロウは必ず自分の手を相手の額にぺたりと置いて、優位を示す。
公平がすぐに飽きて、他の遊びに気を取られても、
トモロウは、気が済むまで「勝負勝負〜」と挑んでいく。

どちらも1歳くらいだが、体の大きさは親子ほど違う。
公平の半分の体重しかないトモ。
でも、生まれた時からずっと一緒の兄弟のように、
毎日飽きずにふざけっこする。

これまで、トモロウの相手役は、もっぱらたいちゃんが務めていたが、
少々おじさんのたいには、若者トモのパワーについていくのは、
さすがにキツイ時もあり、公平が来てくれて、本当によかった。
家族が増えて、一層まるく収まるわが家。



03/07/19「脱走!!」


 本日の登場人物


  喬太郎 



休みの日は忙しい。あれこれ、やることが溜まっている。
一階でものの30分ほど、なんだかんだ用をして、またバタバタと二階に上がる。
ん? 何かが違う。違和感にあたりを見回す。

見れば、あおぞらの水入れにしている洗面器の中に、何か黒い塊が!!
・・・と思ったら、喬太郎が気持ち良さそうに、ぷかりと浮いていたのだった。

たまげた。
わずかな間に、脱走して部屋をふたつ横切り、ご丁寧にもひとの水入れの中に入り込むとは・・・。

衣装ケースのふたをカッターナイフでいくつか切り抜いて、空気穴をつくったものはあるのだけれど、カメと猫のコミュニケーションも大事かな、と半分開けていたため脱走してしまったのだった。もっと大きな衣装ケースにすればよかったのだろうか。でも、大きすぎるとまた水替えが大変だし。悩むところ。



ハードな仕事明けはいつも眼精疲労の頭痛がひどい。目がちかちかして開けていられないので、やたらと人相が悪くなる。それでも行ける日が今日しかないので池袋演芸場へ走る。7月中席夜の部は、喬太郎師匠がトリなのである。

立ち見が出るほどの満員御礼。久々の寄席だったが、いい感じでそれぞれの熱演を堪能する。やっぱり月に一度は、寄席の空気を吸いに来ないと駄目だな。
喬太郎づくしの一日。




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