●ひなびた日記/04年5-7月●


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7月日記
7月 03日「なすびとトマトとパトカーと」(未) 7月04日「天空のエール」
7月 08日「来襲」 7月14日「発熱」
7月18日「お宅訪問」 7月20〜28日「フリット君 登場!」

7月30日「第2弾」

 


6月日記
6月08日「タワータワー♪」 6月09日「スタミナ・スタッカート」
6月12日「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」 6月13日「猫友猫話」(未)


5月日記
5月07日「5月ぢゃァないか」 5月14日「小マダム」
5月16日「ちびたん顛末記・前編」 5月18日「ちびたん顛末記・後編」 up
5月20日「ルーちゃん」(未)  




04/07/30「第2弾」


 本日の登場人物


  りん
  

この辺りは、環境がよいというのでお勧めの物件だった。
ひと目見るなり気に入って、思わずぴょんぴょん飛び跳ねた。
静かで、大きな木があって、風が通る…
犬のお散歩コースとしてもうってつけ。
即決。最初に飛び込んだ不動産屋さんで内見した二つ目。
大家さんのお家も猫が8匹ほどいるそうだ。
古さも理想的な新居で始まった、新しい毎日に大満足していた。

だがしかし…ひとつ、見すごせない大問題があったのだ。

 

昨夜遅くにあおぞらの散歩に行くと、公園の中からかぼそい鳴き声。
奥に入ってみると、不審な段ボールを発見。
鳴き声はやんで、しん、と静まり返っている。
そっと箱に手を触れると、中でごそごそ動く気配。

まさか、まさか、まさか…
おそるおそる、ふたを開けようとすると、
中からシャーッシャーッとおそろしげな声。
何が飛び出すやら、こちらも恐怖で顔がひきつる。

えいやっ。……あっっっ!
開けてびっくり。箱のすみっこで小さな小さな赤ちゃん猫が
その小さな体を震わせて、精一杯の威嚇をしているではないか。

これって…これって…もしかして…
すすす捨て猫だぁ〜〜〜〜〜!!

  

そのままお持ち帰り。虫のわいてそうな汚らしい箱はすぐ処分。
震えている赤ちゃん猫を両手で包み込むと、
手のひらをちゅぱちゅぱする。小さな乳歯がかわいい。
生後3週間くらい? 離乳したてなのだろう。

少し目やにが出ているが、元気はいいようだ。
とにかく何か食べさせなければ、と
非常用に牛乳とお砂糖、卵黄などで即席ミルクをつくり、
シリンジで与えてみると、上手に飲んでくれたので
これなら一晩はもつと、ひとまずほっとした。
(注:牛乳はあくまでひと晩をしのぐ非常用です。あまり飲ませると下痢になってしまいます)

ほっとすると同時に、何かいや〜な心持ちが、ムカムカムカムカ
込み上げてきた。 よりによって台風だ大雨だと言ってるさなかに、
こんな赤ちゃんを捨てるなんて一体どういう了見か。

殺意がたとえ無自覚な鈍重なものだとしても、
端的に言って、ドタマにきました、ワタクシ。
犯人の糞の役にも立たない脳みそを、
人畜無害なババロアと取り替えて差し上げたいよ、ぜひ。

暗い箱の中、ひとりぼっちでどんなに怖い思いをしたことだろう。
こんなに小さな赤ちゃんが、たった一人きりで身を守ろうと、
全身を震わせ、必死で威嚇していたことを思いだすたび、
やるせなくて涙が出る。

ちょびも結構ノミがいたけど、やっとよちよち歩けるくらいの
もっと小さい体には、軽くその倍の数のノミがびっしりたかっていた。
体中、痒そうにして大きな声で鳴くので、
朝までかかって、ひたすらノミを取った。

  

病院でa/d缶をもらうと、食欲は旺盛で、
お皿のふちまで齧って笑われた。
「もうずいぶん上手に食べられるね」とお褒めの言葉に
なぜか自分の顔が緩む。
体重380g。ほええ〜小ちゃいね〜。でも、どっこい生きてるさ。
鼻気管炎は注射ですぐによくなった。


なかなか排泄がなく心配するも、二日目の夜に
うんちもおしっこも、自分ひとりで上手にできた。
ふやかしたドライフードもちゃんと食べる、 お世話いらずの賢い子。

近所の人や病院でいろいろ聞いてみると、この辺は捨て猫が多く、
猫捕りも出るらしい。その一方で、自腹でコツコツ不妊手術をしながら
猫たちの面倒をずっとみている人も何人かいるということだ。
「素晴らしい環境」の陰には、厳しい現実と見えない苦労があった。

それにしても、なんて小さいんだろう。こんなに小さい子は初めて。
つい先日末っ子になったばかりのちょびが、ずいぶん大きく見える。
新たな末っ子第二弾、名前は「りん」。
以後お見知りおき願います。

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04/07/20〜28「フリット君 登場!」


 本日の登場人物


  フリット
  

一カ月ほど前から、外に気になっている子がいた。
その子は突然、犬の散歩コースである駐車場に現れた。

ふと見ると、車の下に「マックロクロスケ」が!
な、なんだ〜?と覗き込めば、驚くほど大きな長毛黒猫。

一体どこからやってきたのか。
ちょっとでも近づくそぶりを見せると、さささっと逃げて行く。
どうやら、ひどく臆病らしい。
後で近所の人に聞いたところ、とても用心深い子で、
暗くならないと、絶対に姿を見せないそうだ。
確かに見かけるのは、いつも夜の散歩のときだけ。

それがある日、なぜかその子に触ることができたのだ。
近づいても逃げなかったので、しゃがんでそろそろ近づきながら
手を伸ばして触れてみた。

 
 まんまるい目で見上げる。

ん? びろ〜ん?
首のあたりから、ドレッドのような編み込みが飛び出ている。
おしゃれな首輪? 暗闇のなかで、よくよく目を凝らせば、
それは自分の毛がよれて固まってしまったのだった。

改めて見ると、なんだか体中に、変なコブのようなものを
いっぱいぶらさげている。
??? なんだこれ?
触って思わずぎょっとした。
長毛がフェルト状にあちこちで固まり、コブのように見えるのだ。
この猛暑のなか、体じゅうゴワゴワの毛布でできた鎧を着ているようなものだ。

過酷な環境から助け出された長毛の子は、
毛がごわごわのフェルト状になっているという
話にはよく聞いていたけど、実際に目にするのは初めて。
驚いた。
明らかに元飼い猫で捨てられたっぽい。
どれだけ放浪すれば、こんな状態になるのだろう?

さらに驚いたことに、はじめて触れた日を境に、
甘えるそぶりを見せ始めた。
どうしよう…こんな子がお外で生きていけるものだろうか。

 

保護しよう。家に入れよう。
決心するのに時間はかからなかった。
問題は、実行の日どりとその方法だ。
その頃にはすでに抱っこができるようになっていたので、
素手でキャリーに入れられるかもしれない。
でも、一度失敗したら警戒して、保護することは難しくなる。

おまけに体調を崩したので、予定がすっかり狂ってしまった。
その間に、顔見知りの子猫が車に轢かれたらしいという事件があったり、
(ご近所さん談。今でも何かの間違いであってほしいと祈っているけれど、
それ以来、元気いっぱいだったその子猫の姿を見ていない)
その直後、二日ほど長毛黒猫くんの姿を
さっぱり見かけなくなったりすることがあったりで、
心配で気が気ではない。

20日。へろへろのうちに雑誌が校了した晩、決行を決める。
体もまだ本調子に戻らないし、初めてのことだから、緊張もピーク。
胃が痛いよ。とほ。
成功するかどうかは、半々だと思っていた。

まず犬の散歩に行って、いつもの駐車場に姿があることを確認。
すりすりと甘えてくるのが、いつにもまして切ない。
「後ですぐ迎えに来るからね。絶対ここにいるんだよ」と
何度も言い聞かせ、空のキャリーや各種ご飯を持って引き返す。

 
 フリット、サマーカットでさっぱり。
と。が〜〜〜ん。
その間に誰かが猫缶を置いていて、
彼は一心不乱にそれを食べているところだった。
ちょ、ちょ、ちょっと〜〜〜。
よりによって、なんで今日なの(T_T)

その頃にはすでに「フリット」と名前をつけていた。
由来は、ドレッドヘアがトレードマークの往年の天才サッカー選手から。

「フリット〜」と名前を呼びながら、
トモやスーが泣いて喜ぶ、とっておきのカニカマを開けるも無視。泣。
いつもは大好きなシーバにも反応いまいち。泣。。。
開けたてでいい匂いをぷんぷんさせている猫缶をうらめしく横目でにらむ。

フリットを抱っこしながら、しばらく途方に暮れていた。
どうすればいいのかわからない。
おそるおそるキャリーに入れようとすると、当然のことながら抵抗。
何回かやってみたけど、だめ。
そりゃそうだよね〜無茶だよね、怖いよね、…当たり前。
でもフリット、あんたを連れて帰りたいんだよ。
こんなところにいたら、交通事故や病気であんた、そのうち死んじゃうよ。
声をあげて泣きたい気分だった。

どのくらいの時間がたったのか、何となくお尻から入れてみた。
頭を下げて抵抗しない。もうちょっと押し込んでみた。
するする…すっぽり。あれ?半信半疑でふたを閉めた。おしまい。

暴れもしない。鳴きもしない。
おとなしくじっとしている。
え? え? いいの? ほんとにいいの?
脱力のあまり、少しだけ嗚咽した。



21日。次の日、朝いちばんで病院へ行く。
あんまりボロボロなので、診てもらえるかちょっとドキドキしていたけど、
先生は嫌な顔ひとつしなかった。
それでもさすがに、ゴワゴワの鎧で何重にも覆われた姿に
「こりゃすごいな〜」を連発。

今まで見たなかでいちばん大きな頭と手足。なのに4.7キロ。
昨日キャリーをさげたとき、そのあまりの軽さに驚いた。
エイズ・白血病陰性。耳ダニなし。検便も異常なしだったけど、
ノミがいたので念のためにドロンタールを飲ませることに。

 
 細っっっ。長っっっ。

推定年齢は7、8才と思っていたより高齢だったので、
この時点で里親募集はしないと決めた。
そして、なんということ、去勢済みだったのだ…ちょっとショック。
人の手のあたたかさを明らかに知っている子なので、
かつては、かわいがられていたのかもしれない。
それがどういう事情でこんな姿でさまよう羽目になったのだろう?

おとなしいけれど、どこか投げやりな感じがしないでもない。
少し無表情。でも、まんまるの大きな目が、時折不思議そうに
見開かれて、こちらをじいっと見つめる。
何を考えているんだろう…。不思議な出会い。



22日。フリット、トリミングをする。
前の日、フロントラインだけはしたものの、
このフェルトはどうにもならない。
トリマーさんにお願いすることにして
近場でいくつか探してみた。
どこも犬ばかりで、猫もやってくれるところはなかなかない。

数件目の電話でやっと猫もOKのお店が見つかった。
ただ、そこは麻酔をしないので、あまり暴れるようだと無理とのこと。
後で知ったのだが、猫のトリミングは暴れる子が多いので難しく、
全身麻酔をして行なうところも多いらしい。
今回のことでは初めて知ることがいっぱいだ。
なにしろ初めて関わる長毛種なのだ。

幸い、フリットはとてもおりこうにトリミングさせてくれた。
病院でも驚かれるほどおとなしかった。
思ったより早く終わったので、迎えに行くと、
一気にさっぱりした別猫のフリットがちんまりキャリーに収まっていた。

お店のサービスとして、トリミング直後の写真を撮って、
それでカレンダーを作ってくれた。
緊張で耳が三角に後ろに向いた、頭と手足だけがもこもこ黒い、
グレーの変な生き物が写っていた。
大切な記念として、家に帰ってさっそく飾った。
早くも飼い主バカになっているらしい。

 
 飛べない妖精、フリット。

フェルトの鎧を脱いだフリットは驚くほど痩せていた。
こりゃあ軽いはずだわ。
とても猫には見えない。
何だか、飛べない変な妖精のようだ。
でも、フリットはとても気持ちがよさそうで、
表情が前よりやわらかくなった気がする。
三日も経たないうちに、早くもゴロすりが激しくなった。

24日ワクチン接種。
27日ころころうんちを持って行って再度検便してもらう。
「よいうんちですよ」と太鼓判を押してもらい、晴れてケージを卒業。
これまでも私が家にいるときにはケージから出してあげて、
あちこち探検していたけど今日から完全なフリー。
押し入れやベッドの下にこもっていることもあるけど、
名前を呼ぶと、ごろごろ言いながら出てくる。
もうすでに自分の名前がわかっているのだ!

 
 物静かだけど意外と頑固な自己主張

28日。しだいに実はかな〜りのワガママであることが判明。
ブラッシングがあまり好きでないらしいのは困ったことだ。
他の子が不作法に近づきすぎると、「シャーッ」と言って怒る。
大部屋にはあまり興味なし。ユキとの衝突もなし。
トモがその異様な風貌を怖がって、
初日はずいぶんシャーシャーしていたけれど、すぐに収まる。
何の問題もなし。心配していたスプレーひとりもなし。
まだ当分、目は離せないけど、とりあえずクリアーかな?

フリットは今、なんだかとても偉そうに、
部屋の中をのしのし歩いている。
まんまるお目々で不思議そうに見上げるところが
亡くなったビルマを思い出させる。
気難しいところまでそっくりだ。ビルマも大柄だった。
もちろん、フリットはフリットだけど。
どの子もかけがえがなく、愛おしい。死んだ子もまた。

そして今回も受け入れてくれた「一家」みんなに、深く感謝。
だからこそ私はもっともっと注意深く、ひとりひとりに気を配ろう。
正確なレーダーのような神経を持とう。
降り積もる時間のなかを、皆で一緒にくぐっていこう。

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04/07/18「お宅訪問」


 本日の登場人物


  ちょび
  

いまだ体調が回復しないまま遠出をするのは不安があったが、
前々からの約束でとても楽しみにしていたことだから、
えいや、と出かけることにした。
今日はマロンちゃんのお宅にお邪魔するのだ♪

結果は行って大正解!
予想以上に混んだ道もものともせず、かえって元気になってしまった。

実は里親さん宅には、にゃんずが増えていた。
そう、にゃん「ず」。
遊びに行くお約束をしたときは、まだ猫は「たから」ちゃん1匹だった。
マロンちゃんのお届け時には、先住犬のチビ太くん1頭だったから
いきなりわんこ2頭、にゃんず3匹の大所帯になったわけだ。

 美男子たからちゃん。おねむの時間でした。

先日、たまたま我が家にお寄り頂くことがあり、
(というか、近くまでいらっしゃることがあったので
σ(^_^; が無理やりお誘いしたのだが )
驚いたことに、普段は人見知りの子までが姿を現わし、
「猫走り一家」の面々は、たっぷり遊んで頂いたのであった。

そのとき、いよいよエキサイトするちょびをゆったり相手しながら
「たからにも遊び相手がいれば…」と呟いておられたので
おおっ、これは!とばかり、内心ひそかに
「複数飼い〜複数飼い〜」と 念を送っていた。

すると数日後、「子猫がきました!」というメールが!!!
は、早い!早すぎる〜! 速断即決、彼女は行動の人なのであった。

 

二匹目の子は、拾ったときのちょびより少し小さいくらい。
一カ月半を過ぎたくらいかな〜とってもかわいい茶白の子。
名前は「ユーリ」ちゃん。(=7月という意味だそうです。素敵ですね)
里親さんの姿が見えないと、みゃあみゃあ大きな声で鳴きながら探す。

成長した「たから」ちゃんは、ぐっと大人っぽくなっていた。
うちの若い衆(スー、公平、トモロウ)よりまだ幼いのに
ずっと落ち着いている(汗;)。

ふたりとも全く人見知りをしない。
わんこたちとは網戸越しに時々見つめあっているそうである。

そして、その日は会えなかったけど、
その前日くらいにチビ太君の散歩中に保護した
目やにガビガビの黒猫ちゃんは、
その後、無事里親さんのお家の子になった。
片目がすでにだいぶやられてしまっているようだが、
独眼竜政宗の「政宗」という、とびきりいい名前をつけてもらって
きっと元気に大きくなることだろう。

 深窓の令嬢に生まれ変わったマロンちゃん。

久々に会ったマロンちゃんは、
里親さんの姿を認めるや、すっ飛んできたが
その後ろに見慣れない人がいたものだから
ぴゅーっと逃げて隠れてしまった。
今日はもう顔を見られないかな、と思ったけれど、
最後に出てきて触らせてくれた。

里親さんのそばにぴったり寄り添って、
なんとまあ女の子らしい甘えん坊さんになったことだろう。
見違えるほどふっくらとした体を何度も撫でながら、
いろんなことをしみじみと思った。

人慣れについては、まだまだ練習中だけれど、
落ち着いてすっかり穏やかな顔になった。
里親さんがいつもメールに添付してくれるたくさんの写真には
大好きなチビ太兄ちゃんにじゃれつくお転婆マロンちゃんが写っている。
たまたま持っていたデジカメに、
元の保護?場所で撮ったデータが残っていたのだが
そこにはもはや別の犬が、脅えきってこちらを見つめていた。
残された犬たちの写真は今でも正視できない。



その日、大ファンであるチビ太くんのお散歩にご一緒させて頂いたのだが、
まったくうらやましくなるような素晴らしい散歩コースであった。
ひぐらしの声を聞きながら、夏の夕暮れの中を歩いていると、
まるで映画のワンシーンのようだ。

そしてまたチビ太君が、なんともかわいい甘えん坊さんなのだ。
ちょっと厳しくリードをコレクションしようものなら、
さっとお座りして「ね〜もういいでしょう〜?」と
甘えん坊光線を発射、これにはきっと誰もかなわないと思う。

ぐったりと暑い日だったけれど、ちょっとした小旅行をしたような
充実した一日となった。



ちょびは今日も元気に走りまわっている。
暑いので一つしかないクーラーの冷気が回るよう、主にユキのテリトリーと
他の子たちの大部屋との境はラティスで仕切ってあるのだが、
ちょびだけ、そのラティスの格子をくぐり抜けて
自由に出入りする。

最近、少しずつその穴が窮屈になってきているようだ。
大変な食欲で、ひと眠りするたびに大きくなっているのだもの、
今に通れなくなる日がくるのだろう。
何事もなく、このまますくすく育ってほしい。

それにしても呆れるほどお転婆だ。
こんなに気が強い子は初めてかもしれない。

虫が落ちるまでケージに隔離していたときは面白かった。
「出せーーーっ、んにゃろーーーっ」
本当にそんなふうに聞こえるのだ。
「逆切れしてるよ」と、よく笑われた。
最近ではすっかり、ちょびの天下だから、
「ちょびの逆切れ」はもうほとんど聞かれなくなった。

 
「そんなことないもん。アタシいい子だもん」

誰にでもやる気まんまんで向かって行く。
自分よりはるかに大きな「あおぞら」でさえお構いなし。
そうして相手のお腹に、おさるのようにぶらさがるのだから、
皆、ずいぶん迷惑そうだ。

子猫用の首輪でかわいいものがなかなか見つからなくて、
ずっと昔のちゃーちゃん(TOPページ写真左)のお古を使っていたけど、
この間、やっと買ってあげることができた。
「アマゾネスちょび」にぴったりの迷彩柄。
迷彩柄は以前、臆病だったビルマに
「強くワイルドになれ」と買ってあげたこともあったっけ。
ちょびがこれ以上強くなったら困るけど、
元気で大きく育つんだよ。

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04/07/14「発熱」


 本日の登場人物


  スー
  

大きな黒い蝶が、木漏れ日の落ちる樹木の間を
ふわふわと彷徨うように飛ぶのは
私のなかで、いかにも夏らしい風景だ。

黒いシルエットは、誰かの影が意志を持ち、
地面から解き放たれて、空中に舞い上がったかのようだ。

その夢見るような日陰の空中歩行は、
日の当たる埃っぽい道路と強烈なコントラストをなし、
今ここは、白日の夢の中ではないのかと思わせる。

 

土曜日の鎌倉行きは、お天気もまずまずもって、無事終了。
東京で自然が見たいといわれたときは一瞬、どうしようかと思ったけれど、
「よいドライブだった」と口々に言ってもらえて、やれやれである。
途中で海に降りて足だけ浸かったり、降り出した雨がすぐに止んで
空に大きな虹がかかったり、鶴岡八幡宮で白無垢の花嫁さんに遭遇したり、
なかなかにツイていた小旅行だった。

 
 甥っこと手をつないで。今度はいつ会えるのかな。

翌日の日曜は、 子守り担当の母上にゆっくり休んでもらうべく、
また、いつも大人の予定に辛抱強く付き合って、
今回、通訳として大活躍してくれた甥っこのために
銀座にくり出す大人たちとは別行動で、遊園地へ出かけた。

4歳の理屈は、理路整然としてシンプルだ。
世界がいつも、こんなふうに明晰であるといいのに。

何のためらいも疑いもなく、差し出される手にドキッとする。
手のひらにすっぽりと収まる。その手の小ささに驚く。

ずっと手をつないでいた4歳の夏は、
彼の中でどのように記憶されるのだろうか。
いつでもまた、日本においでね。



そして今週、くたびれはてた母上を除く皆々さんは元気に実家へ帰って行き、
もうしばらくの日本滞在を楽しむのであったが、
一方こちらの調子は、すっかり狂ってガタガタである。

仕事も忙しさは今がピークなので、騙し騙し2、3日切り抜けるも、
この体調に会社のクーラーは強敵すぎた。
五体がそれぞれ強行直訴、ぐんぐん熱が上がり、無念の白旗。
働き始めて生涯二度目の早退となる。
帰りは行き倒れるかと思いきや、タクシーを使う度胸もなし。
そんな状態でも、途中で寄った薬屋さんの隣で猫缶を安売りしてい
れば
思わず買ってしまう哀しいサガ。(←アホだね〜)
二日ほど枕から頭上がらず。ふがいなし。

意外とヤワであることを自覚できたのは何よりだった。



ちょびを迎え入れたときの反応が、いちばん傑作だったスー。
鼻にしわを寄せ、「うーあーうー(な〜に〜よ〜)!」
突然オバサンに豹変したものだから、笑いが止まらない。
「ん・んん〜」とかわいい声で甘え上手だったスーはどこへ?

ツワモノちょびは、いっこうに気にする様子もなし。
それがまた気に入らず、執拗につきまとっては
全身で「気に入らない」光線を発し、ちょっと高いところに陣取って凄む。

体はトモのほうが小さいけれど、
実はお誕生日は3カ月ほど遅い、正真正銘、末っ子のスーちゃん、
人間にも猫にも犬にも甘え上手のお姫様は、
強力なライバル出現! と思ったのでしょうか。

その後、どうなったかといえば…
相変わらず、ちょびは天衣無縫に跳ね回り、
時には叱ったりしながらも、気が向けば
やさしくグルーミングしてあげるスーちゃんです。

猫走り一家、ごくごく自然に、定員一名増えました。

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04/07/08「来襲」


 本日の登場人物


  公平
  

この際、鳴り響くのは「ジョーズ」でも「ゴジラ」でも何でもいい。
とにかく不安と憂鬱を増幅させるテーマ音楽に乗って、
ああああ〜、今週ついにやって来ました、フランスからの御一行。

妹夫婦に80近いおばあちゃま達やら乳飲み子やら。
そこに「超」のつく心配性&世話焼きの吾が母上が加わるもんだから
恐怖の珍道中に拍車がかかる。
総勢9名、これを超ド級・方向音痴の私が、束ね引率していくのである。
この炎天下、数日にわたり、身の毛のよだつあの人混みを…

いやいやいや、それだけならば私だって頑張ろうというものだ。
はるばる遠い国からやって来てくれた彼らに、
贅沢なおもてなしはできないまでも、せめて楽しい思い出だけでも。

なぜ私が今こんなに頭を抱えているか、そのほんの一例。

なんの計画もたてずゾロゾロやって来たらしいので
気を使ってどこか行きたいところはあるかと尋ねると、
どこでもいいからついて行く、と誠に殊勝な答え。

なので、慌ててあれこれ調べて提案すると…
歌舞伎「テレビでいい」
東京タワー「エッフェル塔で十分」
お寺めぐり「中国でさんざん見た」
屋形船の川下り「椅子がない」
皇居「中に入れないなら意味がない」etc.

・・・・・・・・・・。

美術好きのステファン(妹のダンナ)に美術館のチラシやHPを
プリントアウトしたものを持っていけば
(フランスではコミックは立派なアートの一種で
彼は「タンタン」の作者エルジェのファンクラブを作っている)
「別に日本で美術館には行きたくない」

・・・・・・・・・・って、あのぅ。

下町が見たいというから浅草につれて行けば
「(ゴミゴミして)汚い」
マルシェ(市場)が見たいというからアメ横に行けば
「不衛生」
(氷の上にむきだしで魚を置いていたり、長靴のおじちゃんが
片足を靴のまま台にかけて威勢よく売っているのを見て)

・・・・・・・・・・ヲイ。

食事に必須のワインに(たまたまその店に)ロゼがない、
と言ってはぶうぶう言い、よく冷えた赤ワインが出てくると、
「赤を冷やすなんて信じられない」とまた騒ぐ。

刺身は珍しく全員が「まあまあ」と言うので
お寿司屋さんに行けば、酢飯が気に入らず上だけ食べる。
巻き物にいたっては、ステファンが海苔を見るのも嫌だと言う。
以前、母上が海苔を送ってあげたとき、
「セ・ボン、セ・ボン(美味しい)」とバクバク一度に11袋食べたら
気持ちが悪くなって吐いてしまったからだそうだが。。。
・・・・・・ハッキリ言って「アホ」である。

要するに日本について、とりたてて興味なし、知識なし、
勉強する気もさらさらなし、というわけだ。
丸なげして文句は人一倍という人の、今年は当たり年なのか。
・・・もうぐったり。

逆さにした籠を差し出しても、
贈り物は全部こぼれて台なしになるだけだ。
それで何も得られないのは自分のせいに他ならない。

まあ、プライドの高いので有名なお国柄だが、
旅は事前準備で決まるもの。自分のモチベーションも上がるしね。
それをしないなら、せめて柔軟な頭と素直な心で、
初めての体験や違いを楽しまないと。一体何しに来たんだか。

今日、明日はどうしても仕事を休めないので、
自由行動にして束の間、解放されたのだが、
いつもはハードな仕事が今日は天国のようだった。

それにしても言葉がまったく通じないので、ほとほと困る。
おばあちゃま達は英語がまったくわからないし、
ステファン本人は「多少」できると思っている英語も全く聞き取れず。
フランス語を喋っているのかと聞いていれば
実は英語だったりする。

土曜は10人乗りのワゴンを借りて鎌倉に行くことになっているのだが、
一体どうなることだろう。
神のみぞ知る。人生ままよ、ケセラセラだ。

   

  
うらめしや〜。公平お得意、納涼ポーズ。

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04/07/04「天空のエール」


 本日の登場人物


  ちょび
  

満月は確か昨日だった。
なんだかんだで結局、夜通し起きていた。
まだ暗いけれど、小鳥のさえずりで朝と知る。

外に出ると、白々と明け始めた薄墨色の空の向こうに、
月が、かげろうのように消えていくところだった。
空にあいた穴を丁寧に障子紙で繕ったような、不思議な佇まい。

一緒にいた彼が声をあげた。
それは月とは反対側の、とても低い空に引っ掛かっていたので、
もっとよく見えるところへと走る。
流れる木々が途切れたとき、再び姿を現わしたもの。

銀色の大きな盆の中で赤い炎が波打っている。
それが力を溜めながら、徐々に体温を上げていくのがわかる。
早くも太陽がのぼり始めていたのだった。

威風堂々、太陽にほかならない威厳があった。
その太陽から伸びている視線をたどると、再びそこには月があった。
ああそうか。

今まさに、両者は天空でエールの交換をしている。
広大な空の端と端で、
いくつものビルや道路や家並みの遥か高みで、
間に横たわる無数の眠りを包み込み、
自身を誇り、 相手には惜しみない敬意を払って。

あのとき天空を行き交ったのは、
完璧に閉じられた二つの円の奥深い謎の一端だ。
これだから、一日じゅう空を眺めていても飽きない。

   

 
あれ?静かだな、と思うと眠ってる。
目が覚めるたびに、少しずつ大きくなるんだね。
子猫ってすごい。

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04/07/03「なすびとトマトとパトカーと」(未)


 本日の登場人物


  
  





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04/06/13「猫友猫話」(未)


 本日の登場人物


  サム君 リリーちゃん 

前々からとても楽しみにしていた日。
くま子とスーの保護主kennyさんが、譲渡のため東京にいらっしゃる。
そして、いったんわが家にお寄り頂いてから、かつて里子に出した
サム君&リリーちゃんに一緒に会いにいくのだ。



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04/06/12「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」


 本日の登場人物


  ちょび 
  

やってきたのはビートルズならぬ子猫。
本日、子猫拾っちゃいました。おろろ。




出かける前にと、あおぞらの散歩を済ませ帰ってくると、
アパートの駐車場、車の下から小さなグレーの固まりが
ぴょこぴょこ頭をのぞかせていました。

くんくん匂いを嗅ぐあおぞらには、いっちょまえに「シャー」をするも、
手を出すとゴロゴロすりすりの激しいこと!
飼い猫の子で捨てられたな、とすぐわかります。

トモロウの時もそうだったけど、
お母さん猫たちが、お腹に子猫を宿しているときから、
人間はほんとはいいものなんだよ、と教えているかのようです。
それなのに飼い主たちは、そうした信頼ごと命をぽいと捨てるのですね。

一体どういう気持ちで捨てるのでしょう。
犬を捨てたときのことを笑いながら話した人は
誰かに拾われ幸せになったろう、などと
凍りつくようなことを平気で言っていましたが。。。

ともかく急いで、家からキャリーと缶詰を手に戻ってみると、
キャリー要らず、だっこで十分なベタベタの甘えたさんでした。
よほどお腹が空いていたらしく、
「ふんが、ふんが」すごい勢いで、ひと缶ペロリとたいらげました!

ご飯を探して、あちこちさまよっていたのでしょう。
その日の夜のことですが、虫がいないか、試しにウンチをほぐしてみると、
土の固まりだったのでビックリ、そして何とも切なくなりました。



実は今日は、ひめちゃんのお宅にお邪魔させて頂く予定だったのでした。
到着が遅れる連絡を入れ、事情を話すと、
近くに土曜も夕方までやっている動物病院があるとのこと。
たまたま、ひめちゃんもフィラリアの定期検診があるというので、
子猫もご一緒させて頂くことに。

ひめちゃんと同時期に里子に行った3わんとも
現在、フィラリアの治療を頑張っています。
まだ若い子でさえ、 お医者さんもびっくりするほど
症状は進んでいたそうです。

フィラリアは、きちんとした責任ある飼い方さえしていれば、
今はよい薬もできて、なんら恐れることはない病気です。
元いた場所では、3、4歳の若さで犬が「急死」することもあったそうですが、
「死ぬかもしれない」と思うほど具合が悪くても
病院に連れて行くことすらないのであれば
当然のことなのかもしれません。

けれども、どの飼い主さんも、ひと言の文句も泣き言すらありません。
それどころか、一緒に病気と戦います、と力強く約束してくれたのです。
里親さんたちにはいつも、刺激され、励まされてばかりです。




久々に会うひめちゃんは、まったく見違えちゃいました!!
到着したとき、ちょうどお散歩から帰ってきたところだったのですが
ママさんもばっさりショートにされていたこともあって、
「へ〜え、ひめちゃんとよく似た犬がいるなぁ」と思って見ていたら、
本人(犬)だったというわけです(笑)。

栄養のあるフードをたっぷり食べて、体重は着実に増えたのに、
毎日きちんとお散歩に連れていってもらえるので
体が締まって、逆にスリムに見えるのです。


「まだまだお散歩の練習をしないと」と謙遜されるママさんですが、
いえいえ、ふたりとも実に颯爽として、そして何よりも幸せそうでした。
病院でも本当におりこうだったんですから!

そして例によって、ついつい時間を忘れて長居してしまい、
夕食までごちそうになってしまったのでした。
次々とテーブルにお料理を並べる手際よさは、 さすがママさん!
気のきかない私は終始ぼーっとしっぱなしで、ほんとにすみませんでした。

ひめちゃんと同じくらい会えるのを楽しみにしていた小学生のお姉ちゃんと
4歳の男の子にたっぷり遊んでもらったり、ママさんとパパさんの
ぽんぽん弾む会話に楽しく耳を傾けたりしているうちに
楽しい時間はあっという間に過ぎたのです。



そして子猫はわが家の末っ子になりました。
名前は「ちょび」。推定2カ月の女の子です。

ノミがいたので、速攻フロントラインと虫下し。
さすがに動物園の匂いがします。
早くシャンプーしてあげたいけど、あと三日は我慢です。
(フロントラインの効果がなくなるため)

笑っちゃうくらい気が強い。
虫が落ちるまではしばらく隔離だけど、
みんなと、ご対面したときにどうなるか?
久しぶりのワクワクです。

 
  
ふうん、今日からココがわたしのお家?

  
ん? なんだこれ?

    
はぐはぐ、んまんま。

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04/06/09「スタミナ・スタッカート」


 本日の登場人物


  あおぞら 
  

曇り空の下に、スタッカートは似合う。
たれ込めた硬質な雲が、スタッカートを跳ね返す。
それはもうリズム。天から降ってくるリズム。
それがスキップになる。

もうひとつ、 曇り空の下に似合うもの。
スタイル・カウンシルの「マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ」。
天幕のような雲の下で思索も深まる。
ピアノの弾き語りは最高だ。 名曲!




スタミナがないのが、常日頃から悩みの種。
けど、絞り出せば、存外あるもの。
へなへなになった歯磨きチューブと同じだね。
まだまだイケる。充実感と手応え。


 






 引っ越してから、あおぞらはいつも笑ってる。
 私もいつも笑ってる。
 一緒にいられる時間が確実に増えた。
 うれしい。

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04/06/08「タワータワー♪」


 本日の登場人物


  トモロウ 
  

私の好きな芸人さんのひとりに、寒空はだかさんという人がいて、
彼の歌う名曲中の名曲に「東京タワーの歌」がある。
「タワ〜タワ〜♪ 東京タワーにのぼったわ〜♪」という歌い出しもサイコー。
ひとたび耳にすれば、一週間ぐらいエンドレスで頭の中を流れるというシロモノだ。
機会があったら、ぜひ一度聴いてみてください。




引っ越して落ち着いたら絶対買おうと決めていたものがある。
それは、キャットタワー。
パルボ騒動の後、泣く泣く処分して以来、
猫たちに買ってあげたいと何度も思ったけれど、
死んだ子が好きでよく登っていたことを思い出すのが辛く、
どうしても買えなかった。

ウイルスの生存期間といわれる1年〜1年半をとうに過ぎても
傷はまだ、かさぶたにすら なっていない。


 
お腹ぽっこり。おくつろぎトモ。

それでも、確実に時は過ぎた。
私の環境もずいぶん変わった。
こんなふうになるとは、思ってもみなかったけれど。

毎日いろんなことがあるけど、後悔は何もない。
思い切りのよさだけが信条。
決して平坦な道ではないけれど、腹はくくった。

いま、小さなアパートの部屋に、
驚くほどタワーはしっくり馴染んでいる。

そして、わが家の猫たちは大変にタワーを気に入っている。
もう何年も前から、ずっとそうやっていたみたいに、
猫たちはタワーのあちこちに陣取って くつろぐ。


タワーを足がかりにして、壁一面に置いた本棚の上は
キャットウオークと化した。
家具の何にもない部屋だから、予想以上に効果的だ。

タワーの底面は、猫たちの真似ばかりしている変わり者の犬、
あおぞらの指定席になっている。

みんながそれぞれの場所で、とろとろとまどろむ、
静かな時間が愛おしい。
自身の生活を取り戻せた今、
それはかけがえのないものになっている。

あの時の騒動で、一時断念せざるを得なかった語学の勉強も
この4月からまた再開した。
復活。
日常が再び、力強くホバリングを始めている。
私は、此処ではないどこかへ向かっていく。

一方で、どの子にも、私のうえにも、
粉雪のように音もなく降り積もっていく時間。
そうして一緒に年をとる。
深い湖のように静か。

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04/05/20「ルーちゃん」(未)


 本日の登場人物


  ルーちゃん 
  


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04/05/18「ちびたん顛末記・後編」


 本日の登場人物


  ちびたん   

05年1月1日の日記をご覧下さい。

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04/05/16「ちびたん顛末記・前編」 


 本日の登場人物


  ちびたん 
  

本日の登場人物、「ちびたん」とは誰でしょう?

日曜日の雨というのは、どことなく物哀しい。
夕方、音もなく降っている細い雨など、ことにそうだ。
水に湿した薄紙のように、心がしんなり静かになる。

そんな夕暮れ
、犬の散歩の帰り道。
大きなマンションの前を、
あおぞらと一緒に、しずしずと通りかかると、
植え込みの陰に、ずぶぬれの小さな茶色いものが。
…え?
思わず足を止めてよく見ると、

うわ〜〜〜ヒナだ〜ヒナが落ちてる〜!

近づいても逃げる元気もなく、ぐったりしている。
落ちたときに、羽でも折れたのかと心配になる。
頭のてっぺんが、むしられたようにまぁるくハゲている。
うっすら目をあけたので、生きてる!とほっと胸をなでおろしたものの
びしょぬれで、ずいぶん弱っているようだ。


  
はじめまして。

本当のことをいえば、野鳥のヒナは決して拾ってはいけない。
たいていは巣立ちの時期に巣から落ちてしまった子で
そういう時は親鳥は必ずそばにいて、餌を運び、きちんと育てているからだ。

つい先日も動物病院で、日本野鳥の会の
「ヒナを拾わないで」キャンペーンのポスターを見たばかり。

すぐそばには、巣らしきものが見当たらないことから、
道端に落ちていたヒナを拾った誰かが、危なくないよう
植え込みのところに置いたように思われる。

しかしそこは、かなりのスピードで車が行き交う道路に面している。
また、朝からの雨で、今日は人間でさえ肌寒いほど。
おまけに雨は、まだやむ気配がない。

どうしようの「ど」、ドッキンドッキンの「ど」…
どん兵衛のCMじゃないけど、頭の中はまさに

「どっどっどっ
って感じ。

だけど今、このまま立ち去ったら、確実にこの子は死ぬ。
そんな気が強くした。

「・・・よし」と思ったときには、もう手が出ていた。
ヒナをすくいあげると、最後の力を振り絞るように鳴いたけれど、
両の手のひらのなかで、やがてじっと目をつむった。
体温がかなり下がっているように感じた。




この小さな命をどうするの…?
連れて帰ってはみたものの、私ときたら鳥のことなど、ド素人。
下手をすれば、余計なことをしたあげく死なせてしまう。
手の中の命への、重大な責任をひしひしと感じた。

とにかく、まずは保温。
小さめの段ボールにタオルを敷き、
濡れた体をティッシュでふわりと包む。
沸かしたお湯を、熱すぎないよう少し加減してペットボトルに、
それを湯たんぽがわりにタオルでくるんでヒナのそばへ。
スポイドで水を飲ませ、それから、餌は、餌は…

あーーーーーーっ!
私ってば、この子が何を食べるのかはもちろん
いったい何のヒナなのかすら、わかってないじゃないの!

  
名前は「ちびたん」。

しくしく。いつも泥縄なワタクシ。

ネットにかじりつき、必死の検索また検索。
はては愛玩動物飼養管理士のテキストまで引っぱりだし、
電話帳で小鳥も診てもらえる近くの動物病院を探す。
あいにく日曜の夕方以降、開いている病院はない。
いやいや、こういう場合はむしろ病院より
小鳥の専門店のほうがよいかも。
でっでも、小鳥の専門店て一体どこに?

焦る焦る、頭ぐるぐる、煙が出そう…。
む〜ん、む〜ん、と唸りながら、すでに内心静かなるパニック。

その間、何度も何度も、じっとうずくまっているヒナが
まだ息があるかどうか確かめる。
こまめにペットボトルの湯たんぽを取り替える。

悪戦苦闘、まさに文字どおり。
しかし、とにもかくにも、どうやらスズメのヒナらしいこと、
緊急の非常食として、

ドッグフードをぬるま湯でふやかしたものをあげればよいことなどが
少しずつだが、わかってきた。




ところが!
「スズメのヒナは3時間おきに餌を与えないと死んでしまう」
えっえっえええーっ! きゃー、ちょっと待って〜
何のヒナかわからず、オロオロまごまごしてるうちに
そそそその制限時間を軽く超えてしまってますがな〜!

さらに日本野鳥の会・会員であらせられる父上、
ならびに、鳥飼いベテランの友人の、
まさに鳥の達人というべき人々の重い言葉。
「野鳥のヒナを育てるのは、かなり難しい」

とゆうか、ハッキリ言って無理。(きっぱり)

警戒心が強いから、人間の手から餌を食べない。
2、3日はもっても、急に弱ってアッというまに死んでしまう…

「ひぃ〜〜〜〜〜〜〜」(蒼白;)

  
だいぶ羽が乾いてきました。
 頑張れ、ちびたん!


私が子供のとき、飼っていた十姉妹の
巣から落とされた、まだ目も見えない赤ちゃんを、
何度も何度も育て上げた父。

幾度も辛い経験をして、
ヒナに遭遇しないことを祈りながら
毎年、この時期を過ごす友人。

鳥への思いと経験とに支えられた真実の言葉は、
私の無知を叱咤激励する。

けれども、まず一晩もたないだろう、と電話で父に告げられ、
私の涙の製造元は、早くも増量出荷中だ。

そして今、仕事はまさに修羅場。
この1週間、ほとんどまともに寝ていない。
ここ2、3日をしのげば、3日後に少しは余裕ができるはずなのだが、
ちびたんの命に、そんな猶予はない。
今、やるしかないのだ…今…


「え〜らいこっちゃ♪ え〜らいこっちゃ♪」
私の頭のなかで、
たくさんの小人たちが無心に阿波踊りを始めた。
(どうなる、ちびたん! 後編に続く…ってか?)

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04/05/14「小マダム」 


 本日の登場人物


  くま子 
  

引っ越しのとき、いちばん大きな声で鳴いた子はくま子。
家に着いたときは、もう結構遅い時間だったのに、家に入るまで
アパートじゅうに響き渡る声で大鳴きしてくれ、
すっかり冷や汗をかいた。
(それでなくても、にゃーにゃー鳴いてる猫達を、1匹また1匹と、何往復もして
せっせと運び込む私は、端から見れば相当怪しい人物ではなかったか)

ところがキャリーから出たとたん、けろりと機嫌は直ったらしい。
ふんふん、と匂いを嗅いで探索開始、
数分後には「わたくし、ここが気に入ってよ」と
おくつろぎあそばす貫禄の小マダムくま子(笑)。

車のなかで、くま子はずっと鳴いていた。
最初は「大丈夫だよ」と声をかけていたけど、
いつしか それをやめていた。

なぜなら、それは恐怖の声だったから。
その声の前には言葉を失うしかなかったから。
捨てられる!という恐怖の声…。


この子は明らかに家猫だった。
妊娠したので捨てられたらしい。
まだ子猫みたいに若いお母さんだったろう。

誰かが甘えていると、必ず走ってきて
「私も!」と激しくアピールするくせに、
いざ抱き上げてみると、どうしていいかわからない様子で
とまどっていた。

だから、私はとても驚いた。
ごろごろすりすり、人一倍甘え上手だというのに、
抱っこのされかたがわからないのだ、この子は。
かつての家で、やさしく抱き上げられたことは
一度もなかったのか…。

どうしてなんだろうな。
こんなにかわいいのに。
我が家のお客さんに大人気のくま子なのに。

そのいじらしさに打たれて、保護主さんは猫の活動を再開したのだった。

それが「SO SO Part 2」だ。

お膝の上で、不器用に足をつっぱらかして固まって、
しばらくすると、やっぱり居心地が悪いのか、
ちょっときまり悪そうにして、顔色をうかがいながら、
するりと膝からおりていく…いつもそのくり返し。

最近は少しはくつろげるようになったかな…
お膝はいつでもあけてるからね、くま子ちゃん。
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04/05/07「5月ぢゃァないか」


 本日の登場人物


  クルリ  トモロウ
   サム君 リリーちゃん

筋トレと同じく、しばらく書かないでいれば確実に
頭のなかの「書く」筋肉は衰える。

そんなようなことを、町田町蔵こと今は作家でもある町田康氏も書いていたっけ。
これは実感。今は痛感。

しばらく歌うことを休んでいた小鳥は、
再び歌いはじめる時、翼でそっと触れてみて
自分のか細い喉元を確かめるかもしれない。
私の声はまだ出るだろうか。

書きたいことは、たくさんある。
書きたいことが、たくさんある。
それでいい。
動機はすっきり、シンプルなものでいい。

書けるかどうか。書き切ることができるか。その先に何があるのか。
それはまたその時の話。

私の好きな言葉に「はじまりは半分」というのがある。
韓国のことわざで、一度何かを始めたら、
それはもう半分成し遂げたことと同じである、という意味。
はじめの一歩を踏み出すこと。
そうすれば、たぶん動き始める。

頑張れ、私のアタマ。 もうひとふんばり、動いておくれ。




着物の世界では、桜がわずかにほころび始めた機をとらえて、
満開の柄を着るのが粋だそうだから、
連休も明けた、まったく初夏の陽気の今日、春のことから書き始めるのは
なんともまあ、のんびりした話には違いない。

でもまあ、諸事情があったとはいえ、徹底してさぼった日記だから
ぼちぼち再開するのもあり? と、いうことで…

今年の桜は、お天気のせいもあって、ずいぶん長もちしたそうである。
それでも近視眼的に せわしない日常にある私ときたら、
花の季節も最後の花びらが、風に乗ってふわりと一枚、
車の窓から飛び込んでくるまで、木々に目をやる余裕すらなかったのだ。

ええまあ、いろいろありまして。
結果、とても平和な今日このごろ。

おかげさまで「猫走り一家」は無事引っ越すことができました。
引っ越しの日、 大きめのキャリーに
クルリとトモを二匹一緒に入れて運びました。

最初、無言で固まるふたり。
やがて、クルリが鳴き始めます。
その鳴き方はやっぱり少し変わっていて、
「はあ〜〜〜〜〜〜はあ〜〜〜〜〜〜」と、
哀しげで切ない深いため息のよう。
つられて、トモロウまで赤ちゃんがえりして大鳴き。

大丈夫だいじょうぶ、と必死でなだめ励まして、新居に到着。
急いで出してあげようと、キャリーのふたを開けてびっくり。
トモロウがびしょぬれなのです。
「何これ? どしたの!」

・・・正体がわかりました。それはクルリの「よだれ」。
クルリ君、ずっと口をあけっぱなしで鳴いていたのですね。
ごめんよ・・・。
でももう大丈夫。 ずっとずっと一緒だからね。 何があっても!





先日、サム君&リリーちゃんの里親さんとともに、
ふたりのワクチンに一緒に行ってきました。
すっかり嫌われてしまったかもしれないけれど(病院なんて嫌よね!)
幸せそうなふたりに会えて、とってもうれしかったのでした。

そして、里親さんを「すごいなー」と、またまた尊敬してしまったのは
プロ級の料理の腕前も
もちろんなのですが(ごちそうさまでした^〜^)、
初めて猫を飼うことで、自分の生活に起きた変化を、実に淡々と
話してくださったことです。

以前親しくしていた動物嫌いの人や、アレルギーの人はやむなく足が遠のき、
一方で「猫を見せてくださ〜い」と新しいお客さんが絶えないことetc.。


彼女は仕事もとてもデキる人で、実にクールでカッコいい!のです。
お部屋も、とっても趣味のいい素敵なインテリアで、実はお届けの日、
ちょっぴりドキドキしたのでした。
この整然とコーディネートされた部屋が乱されちゃうかも…

それが半年ぶりの訪問にもかかわらず、素敵な部屋は見事そのまま!

「今は毛がすごくて掃除が大変!」とおっしゃる里親さんの
普段の努力もあるのでしょうが、サム君&リリーちゃんのお上品なこと!
すっかり深窓のお坊っちゃま、お嬢さまになっているぢゃァあ〜りませんか。
嗚呼、もう乳母(?)は感無量!
(我が家のお転婆スーちゃん、聞いてるかい?<スーはふたりの兄妹です)
保護主のkennyさんにぜひぜひ見せてあげたいふたりの晴れ姿なのでした。






そして実は今日、児玉町ワン・マロンちゃんの里親さんから
とても素敵なHPのお知らせを頂きました。
児玉町の更新が遅れているので、ひと足お先にこちらで発表しちゃいます。

http://www.hpmix.com/home/baronsusumu/endex.htm

あたたかいものに包まれ、胸いっぱいに気持ち溢れて…
言葉が見つかりませんでした。
感激? 感動? もっともっと私が受けたものは強くて大きかった。
すごい、すごいよ、里親さん。

日々たくさんの贈り物を受けます。それは心地よい刺激でもあるわけで。
動物たちのくれたご縁…。
幸せだなァ〜って加山雄三になっちゃって、アジャパー(???)。

ふーむ、「猫走り一家」も早く懸案のリニューアルに着手したい!
リンクしたいサイトもたくさんあります。
ああでも、その前に、まだまだすることがたくさん〜

とりあえず、急いでアップしたら、今日こそはビデオ見て
(キェシロフスキにするか、思い出の作品「シルビィの帰郷」にするか?)
早く寝よ。

雑っちゅうか、走ってる日記だけど、ま、いっか。

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