●ひなびた日記/04年10月●


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10月日記
10月02日「贈り物」

10月05日「一歩前進」

10月07日「抱っこで GO!」 10月08日「里親募集はじめました」
10月09日「台風一過」 10月15日「モヒカン・ブラザーズ」
10月17日「ピンぼけ三昧」  


04/10/17「ピンぼけ三昧」


 本日の登場人物

  ガイ君  くりちゃん  フリット

ガイ君の願ってもない里親さん候補の話は、
結局流れてしまった。残念だけれど、また頑張るさ。
高い可愛い声でおしゃべりする、甘えん坊ガイ君を
どうぞよろしくお願いします。募集ページに最新画像有り!)

一方、FIVキャリアのくりちゃんは、もしかしたら
近々お見合いというところまで、漕ぎ着けられるかもしれない。
どんどん可愛い写真を撮ってアピールしなくちゃ。

  神秘的なくりちゃん。ちょっと写真がひどいケド…

とはいえ、くりちゃんの写真は難しい〜!
人間大好きなくりちゃんは、人と見るや、
大喜びでスリスリ体をくっつけてくるので、ちっとも写真が撮れない。
黒猫の撮影には自然光が鉄則だけど、窓のある部屋は
あまりにも大勢いすぎて、猫の苦手なくりちゃんは入れない。
くりちゃんのいる部屋の明かりは暗めなので、
ボケボケの写真になってしまって、とても使えそうにない。
一人で撮るのはもう限界。
手伝ってもらって、くりちゃんの魅力が十分伝わる写真を
もっとたくさん撮らなくちゃ。

何の気なしにカメラを向けたフリットが
なぜか可愛く!撮れてしまった、と親馬鹿炸裂で飼い主は思う。

  だいぶ毛がふさふさになってきたよ。

フリットはいつもあまり動かず、下からじーーーっと見上げて、
目で(ご飯くれ)と、訴える。
もっとお腹が空いてるときは、無言のまま人の足にそっと手をかけてくる。
けっこう笑かしてくれます。

そして、これでなかなか好き嫌いが激しく、
やっと口にしてくれても、合わないとすぐ吐いたり、
お腹にきたりする。

おまけに、やたら人間の食べ物に反応する。
おそらく前の飼い主さんがあげていたのだろうな。
だけど、うちでは断固あげない。
そうでなくても、年齢のことを割り引いても
腎臓の数値が少し高めなのだから、
毎日の食事は特に良質なフードを食べてもらいたい。
なのに、本人はジャンクで味付けの濃いものが好き。
基本的には好きなものを食べてストレス少ない生活を
送ってほしいと思ってはいるけれど、
いろいろ頭を悩ませてくれる、わがままフリット君である。

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04/10/15「モヒカン・ブラザーズ」


 本日の登場人物

  3にゃん(右から、もん、ひぃ、かん)

かわいい、かわいい3にゃん達は、全員真っ白で、
頭に薄く黒っぽい模様がある。
モヒカン柄だから、「もん」「ひぃ」「かん」…
名前を考えたときは究極の睡眠不足だったとはいえ、
自分のセンスにほとほと呆れる。

右から「もん」「ひぃ」「かん」

授乳はまったく、大変なんてものじゃなかった。
これまでに乳飲み子を拾って育て上げた人たちすべてを尊敬する。
今回は彼がものすごく頑張ってくれたから何とか乗り切れたようなものだ。
たぶん、二度とできない。私は。

限界に挑戦するトライアスロンだと思った。そうでなければ、
「何日間、寝ずにいられるか」という外人部隊養成所、極限の最終課題だった。

生まれて初めて、意識的に「食べる」ということを努力した。
知らない間に始まって、いつのまにか終わっていたオリンピックで
シンクロの選手たちが、過酷な練習による疲労で朦朧としながらも、
食べなければ倒れるというので、
黙々と食事を口に流し込んでいる風景をテレビで見たけど、
夜中のファミレスで、私も彼もまさにあんな感じだった。

  拾って数日経過したころ。
 
怒濤の授乳中は余裕がなくて、この頃の写真はほとんどない。

乳飲み子を拾う予定なんてないから、前日に受けた急ぎの仕事はあったし、
保護したばかりの「白雪」の夜鳴きは止まず、
数週間前に保護した子猫たちは相次いで体調を崩し、隔離中だった。

保温のために冷房のないところで汗だくになって、
慣れない手つきでミルクを飲ませるが、かたくなに飲まない子もいる。
排泄も最初のうちは、かなり手間と時間がかかった。
朝に晩に、一日2回違う子を抱えて病院に走ったこともあった。
赤ちゃんたちの下痢と血便はなかなか止まらず、交互に突然ぐったりとなった。
みるみる元気がなくなっていく子の名を、何度も何度も
ほとんど叫ぶように呼び続けた。 怖くてどうにかなりそうだった。

ベッドで寝ると寝過ごしてしまいそうで、授乳中2週間は床の上で仮眠した。
3時間おきの授乳をひとりでやると、初めは2時間超もかかっていたから、
授乳を済ませて、ほかの子たちのご飯やトイレや投薬をやっていると、
自分の食べる時間はおろか、トイレに行く暇さえ下手をするとなかった。
目を離すとその間に命が消えてしまいそうで、息を詰めて見つめ続けた。
まるで「あゝ野麦峠」ならぬ「あゝ授乳」の世界だった。

  
保護して数日後のもんちゃん。
 発見したとき、折り重なった3匹の、いちばん上で唯一わずかに動いていた子です。


死んだ子猫を発見した駐車場わきで、この子たちを見つけたのだ。
パトロ−ルを始めて一週間がたった時のことだ。
早朝、いかにも怪しい段ボールが放置され、
中をのぞくと、毛の生えた白いテニスボールのようなものが三つ、
空気が抜けたように ぺしゃんこになって折り重なっていた。

一番上にいた子がわずかに動いていたが、ほとんど虫の息だった。
これはもう助からない、と思った。
そして、下の2匹は残念だけれどもう死んでいる、と。

そのとき、心の中でくるりと回れ右した感覚を
私ははっきり覚えている。
それはほとんど恐怖だった。

でも、少なくとも一番上の子はまだ生きている。
こわごわ触れると、体温はぞっとするほど低かった。
その時、真ん中の子が微かに動いた。
はっとした瞬間、一番下敷きになっていた子までもが
頭を上げようと弱々しくもがいた。
「3匹とも…生きてる!」
感電でもしたように思わず手を引っ込めた。

箱の中には、誰が入れたのか、
赤ちゃんに食べられるはずもないフレーク状の猫缶がぶちまけてあって、
すでに異臭がし、ハエがたかっていた。
そんななかでこの子たちは生きている。
3匹で体温を分け合いながら、この子たちは生き続けていたのだった。

「ひどい、ひどい、ひどい、ひどい」嗚咽のように繰り返し、
怒りもショックで打ち砕かれて、半べそをかきながら連れ帰った。
せめて家で看取ってあげようと思ったのだ。

それから怒濤の授乳が始まる。
信じられないが、見事に3匹そろって生還した。
いろいろありながらも、何とかここまで大きくなった。
どの子も、ほんとによく頑張った。
3にゃん生命力の勝利。

  
いちばん小柄なもんちゃん。
 ミルクをなかなか飲んでくれず、便秘もひどくて、苦労しました。


  
右はひぃちゃん。ふたりとも男前。

拾ってすぐに、キリー君ちのばあやさんが
乳飲み子を育てた経験があると伺ったので、

授乳についてのアドバイスを求めるべく、メールしていた。
他人に助けを求めることは、普段は私の性格からしてまずないが、
この時ばかりは、藁にもすがる気持ちだった。

翌日、お返事を頂いた。
それはなんと「離乳まで責任をもって3にゃんをお預かりしましょう」という
驚くべきお申し出だった。
簡潔なメールが逆に、ばあやさんの並々ならぬ決意を、ひしと感じさせた。
眠れぬ日々を覚悟し、小さな命の裏にぴったりと張り付いている「死」すら
ともに引き受けることを厭わない、きっぱりと腹をくくった意志を感じた。
ほかに言いようがなくて陳腐に聞こえるのが困るけれど…感激した。
それは私にとって、思いもよらない一騎当千の助っ人だった。

慎重に真剣にいろいろ考え、彼とふたりでよくよく相談したうえで、
お気持ちだけありがたく頂いて、預かりはお断りした。
その少し前に、保護をめぐって、あまりにも安直に考えなしに、
他人に丸投げしようとする人と揉めそうになり、
かなり熱くカッカきていたこともあったが、
何よりもこんな大変なことを人にお願いして自分が楽をすることは、
私にはやはり、どうしてもできなかった。

ばあやさんは折り返し、授乳に関する丁寧なアドバイスを
すぐにメールしてくださった。
排泄の奥義を素晴らしい写真付きで伝授してくださったのをはじめ、
以前育てた赤ちゃんたちの体重グラフや、参考HPのURLや、
親身になっていろいろ教えてくださったことが、一つ一つ役にたった。
3にゃんが無事ここまで育ったのは、ばあやさん&じいやさんの
温かいアドバイスに負うところが大きい。
本当に心から感謝しています。

  悪ガキ3にゃん参上!

年長組の子猫に混じって走り回る3にゃんを見るたび、
あの8月の朝を思い出す。
すべての始まりとなった、片目が飛び出して死んでいた
子猫のことを思い出す。
またひとつ、忘れられない夏が増えた。

3にゃんは今、とても元気です。

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04/10/09「台風一過」


 本日の登場人物

  白雪/ウララちゃん、マーチちゃん

朝から外ばかり見て気を揉んでいた。そしてずっと迷っていた。
雨だ風だとすぐ止まる私の沿線。
テレビには、
いかにもな恐ろしげな台風の映像ばかり映し出され、
外出は控えるようにと、繰り返しアナウンサーは告げる。

珍しく台風が関東を直撃するというこの日、
よりによって、ノリさんウララちゃんのお届けで、
はるばる大阪から来られるのだった。

 
こんな機会はめったにないので、
ノリさんを通じて知り合った猫友で、
一カ月前に無事、男の子を出産されたレイママさんのお宅に
皆で集まる予定だった。
レイママさんは、ノリさんの小学校時代からの親友なのだ。

今回、おなじくノリさんの小学校からの親友というKさんが、
ちょうど出張で東京に来られるという絶妙のタイミングに、
こちらで合流してウララちゃんのお届けに同行してくださることになり、
お届け後、お二人はレイママさん宅へ。
私もそのころ、レイママさんちにお邪魔させてもらう予定で、
賑やかな顔ぶれになりそうで、とても楽しみにしていたのだった。

なのに、台風。
飛行機は無事飛んだのだろうか? 風でひどく揺れたりしないだろうか?
気になってそわそわしっぱなしの午前中、レイママさんに電話をすると、
どうやら朝いちばんの飛行機は、問題なく飛んだらしい、とのこと。
しかし、関東方面の天気はどんどん荒れ模様になるようで、
眼精疲労でズキズキするこめかみを押さえながら、
もう少し様子をみてから、と返事をしつつも、
さすがに今日は無理っぽいかなと弱気になっている。

ところが2時頃、レイママさんより「もう着きました!」という電話をもらい、
電話口で代わったノリさんの柔らかい声を聞いたとたん、
矢もたてもたまらず、家を飛び出した。

いや〜、実に楽しい夕べでした。行ってよかった!!
案の定、電車は止まるわ、飛行機は欠航になるわで、
日帰りの予定だったノリさんたちは、
急遽レイママさん宅に一泊することになったのだけど、
そのおかげで、遅くまでゆっくり話し込むことができ、
本当に楽しく、あっという間に時は過ぎたのだった。ハプニングもまた楽し。



初めて会うノリさんは、HPのイメージそのまま、
穏やかで温かい春風のような方でした。
お友達のKさんも、一見とてもおっとりした感じなのに、
実はバリバリのキャリアウーマン、飛行機が欠航になった時も、
航空会社の電話がなかなかつながらなかったにもかかわらず、
てきぱきと手慣れた様子でパソコンを駆使し、
あっという間に変更の手続きを済ませてしまった。
カッコいい!

猫の話に始まって、出産、猫と赤ちゃんのいる暮らし、昔の思い出話…etc.
偶然、年が同じこともあって、話題は尽きることがない。
かいがいしく動くご主人、あれこれ気を配ってくださるレイママさん、
おかげで、美味しいお料理にお腹も満腹、心も満腹。
ロシアンブルーのレイちゃん(大きい!美猫!)に念願かなってお目見えし、
早くも男らしい立派な顔つきの赤ちゃんの小さな手足に、
おそるおそる、しかし、ちゃっかりぺたぺた触りまくり、まさに至福の時。

犬の散歩に行くたび、交通事故で瀕死の重傷を負った子や、
乳飲み子にゃんず4匹を保護し、怒濤の里親探しをされたお隣さんや、
電車が止まったので車で迎えに来てもらった彼も後から加わり、
荒れ狂うお天気とは隔絶された静かな部屋は
ますます賑やかになっていった。


 

帰宅後、餌やりに出かけると、猫たちの集まる駐車場で
大きな柳の木がまっぷたつに折れていて、びっくり。
台風のテレビは見ていたのだけれど全然実感がなく、
それが文字どおり、ほんとに直撃したんだな〜と、
改めて自然の猛威を感じる。

次の日にはもう、枝がすっかり取り払われて、写真のように
折れたところがいっそう生々しくむき出しになっていた。
私が最初に子猫の死体を発見したのは、この駐車場の片隅だった。
おそらくこの木は、犯人を、そして何があったかを見ているはず。
葉っぱが風にたっぷりと揺れる、大きくてとても立派な木だった。
「猫たちを、どうか守ってください」と幹に触れながらいつも祈っていた。

この木はこれからどうなるんだろう。
枯れてしまうのだろうか。
堂々とした体躯が惜しまれ、悲しい気持ちになる。
それでも、たとえどういうふうになっても、
この木の尊厳は失われない、と思う。
木は雄々しくて、しなやかだ。



この夜は、さすがにわずかな猫たちにしか会えなかったけれど、
この駐車場でもたった1匹、「ぺろちゃん」と最近名づけた黒猫が
横倒しになって、ちょっとした薮のような柳の枝の中から
しばらくすると、小さく鳴いてそっと出てきた。

例によって、この子もご飯にはほとんど口をつけない。
(たぶんもっと前に誰かが来て、食事はもう済んでいるのだろう)
ただ人に甘えたくて、出てきたのだ…。
こんなに人間が好きなのに、どうして誰も連れて帰ろうとしないんだろう。
待っててね。寒くなる前に、おまえも必ずお家に入れるよ。
もう少し。もう少しだよ。それまで頑張れ。気をつけて。



人慣れしていないウララちゃんが、見事幸せをつかんだことは
どれだけ私を勇気づけたか知
れない。
同じように人慣れしていない「白雪」を家に保護して以来、
ずっと手探りで向き合ってきたから、ウララちゃんのことは
なおのこと、他人事とは思えなかったのだ。

あれほどの器量よしでまだ若いとはいえ、すでに成猫であり、
出産・授乳といういちばんナーバスになる時期に保護された
母猫ウララちゃんの里親募集はずいぶん大変だったと思う。

それが「人に慣れていく過程も楽しみたい」と言ってくれる
素晴らしい里親さんにめぐり会えた。

飛行機でウララちゃんを預けるとき、
「お預かりします」と係の人に言われても立ち去ることができず、
作業の様子をじっとかたずをのんで見つめていたノリさんに
係の人はたびたび、「今はこれこれ、こういう作業をしています」と
つつつっと走り寄っては、わざわざ言いに来てくれたそうである。
ノリさんの思いつめた真剣な顔が思い浮かび、思わず笑みがこぼれるが、
同時に、ウララちゃんを思う気持ちに打たれて胸がいっぱいになる。



ノリさんと出会うきっかけとなった「マーチ」ちゃんのページを、
彼とふたりで見た。
やっぱり涙と鼻水まで垂れ、ふたりでちょっと泣いてしまった。

マーチちゃんが、初めて真剣に外の猫たちのことを考えるきっかけをくれた。
そしてノリさんとの出会いも。
それは、レイママさんやそのご主人や、お隣さんや、お友達のKさんや、
素晴らしい出会いにどんどんつながり、輪はみるみる広がっていった。

小さな命は、時にひとりの人間に、はかり知れない影響を与える。
それは、運命とか人生とか自我とか、いろんな言葉を考えるけど、
とにかくそうしたすべてのものに、決して消えない「しるし」を刻む。
人間が彼らの前につつましく在って、共存するすべての命を慈しみ、
各々尊重できるだけの度量を持てる存在であればいいのに。

動物の問題は、時にうすら寒くなるような身勝手な嘘やエゴに振り回され、
心が真っ黒に塗りつぶされる。
そんなとき、「暗いものにばかり目を奪われていてはいけない」と、
温かな灯をともしてくれる、1匹の茶トラの女の子に、
心からの感謝と黙祷を捧げたい。

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04/10/08「里親募集はじめました」


 本日の登場人物

  くりちゃん(new face! )

朝いちで急遽、避妊手術の予約を入れ、
くりちゃんを病院に連れて行く。
けれども、ひそかに懸念していたとおり、
くりちゃんはすでに手術済みだった。

毛を剃ったお腹に、手術の跡が、
うっすらとではあるが、はっきりと確認できた。
傷跡はかなり古いものだったから、餌やりさんではなく、
おそらく元の飼い主が施したものだと思う。
ほっとすると同時に、捨てた人間に対して、
なぜどうして、と急き込むような思いが
言葉にならないまま、喉元でふくらむ。

そして、推定5歳以上のくりちゃんはエイズ・キャリアだった。
起きる自信がなくて寝ないまま行った空っぽの頭に、
先生の言葉はやけに、ぼわんぼわんと響いて聞こえた。

間のびした時間差で、岸壁の波しぶきのように、
どっぱーーーーーーん!!!!
と、切なさがこみあげてきたのは、冷静な先生の説明を聞いて
しばらくたってからだ。

いつかは出会うと思っていたキャリアの子が、
ついにわが家にやってきたのか、と思った。
その最初の子が、運命的なものを感じる、くりちゃんだったとは。

先生は、喧嘩の噛み傷以外、食器の共用でもグルーミングでも
感染はないとはっきり言った。
問題は、くりちゃんの発症を抑えることだ。
それには、まず栄養価の高い食事を与え、日頃から免疫力を高めて、
なおかつ、ストレスをできうる限り軽減すること。

だけど、「人間大好き、猫大嫌い」のくりちゃんにとって、
すでに定員オーバーで猫密度の高すぎる我が家での生活は、
ストレス以外のなにものでもない。
現にケージの側を1匹でも横切っただけで、
シャーシャーとものすごいお怒りなのだ、女王様くりちゃんとしては。

せめて、あともう一部屋でもあれば…。
猫部屋を新たに借りる、もっと部屋数のある家に引っ越す、等々…
いろいろ検討してみたが、この大所帯、手をつけ始めたばかりの現場もあり、
いずれも今の段階では現実的ではないと結論。

では、どうすればよいか。
一、猫エイズ(FIV)について徹底的におさらいする。
二、くりちゃんが安心してくつろげる場所&めいっぱい甘えられる人、
  つまり素敵な里親さんを大至急、探す。


というわけで、性格はなまる・お墨付きのくりちゃん、
ただいま里親募集中です。


仮名:くりちゃん
性別:メス
年齢:推定5歳以上
色柄:真っ黒
避妊手術:済み
3種混合ワクチン:済み(接種日04/10/08)
ウイルス検査:エイズ陽性、白血病陰性

  

しっぽはすらりと長くてまっすぐ、 小顔で大きな瞳のスレンダー美人。
捨てられたのに、どこまでも人間を信じ、甘えてきます。
まだ発症していない現在、食欲もあり、大変元気です。

黒猫の写真は難し〜な〜。修行修行!! 本物はもっと美人で愛くるしいです。

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04/10/07「抱っこで GO!」


 本日の登場人物

赤ちゃんにゃんズ りん ガイ君 白雪
くりちゃん(new face! )

赤ちゃんにゃんズ、第一回目のワクチン、無事終了!
どんどん外から新しい子が来るだけに気が気でなく、
ようやく肩の荷がひとつ降りた気持ち。
お世話になった動物病院の先生にも、3にゃんの元気な姿を
早く見せてあげたくて仕方がなかった。

先生はわが家のカルテを繰りながら、誰が誰やら、
いかにも頭ぐるぐる、といった感じで、それでも一生懸命
名前を覚えようとしてくれる。
「よく全員育ったね〜」と感に堪えない調子でそう言うので、
こっちもいろいろ思い出して、ちょっと泣きそうになる。

ほんとは、りんちゃんの2回目のワクチンも予定していたのだけど
お腹の調子が悪くて延期。お薬をもらって帰る。
食欲もあり、元気なので大丈夫だろう。ちょっと食べ過ぎなのかもしれない;

  
いつのまにか大人びて。その瞳にめろめろ。


そしてガイ君、実はおとといの晩、突然ものすごい下痢をしだして
立て続けに嘔吐するものだから、次の日朝いちで病院に駆け込んだのだ。
ほんの少し前まではとても元気で食欲も旺盛だったのに、
ワクチンは済ませているけど、何か他の怖い病気かと慌てた。
ところが、先生は聴診器を当てるやいなや、
「すっごいよ〜、お腹ぎゅるぎゅるだよ〜」
聴診器をはずし、注射の準備をしながらも、まだしきりに
「すっごいよ〜すっごいな〜」を連発している。

「え? また腸カタルか何かですか?」と、私。
また、というのは前にフリットも同じようなことがあって
仰天して病院に駆け込んだ経緯があったから。
「うん、お腹ぎゅるぎゅる」
時々先生と会話のキャッチボールができていないような気がしないでもないが、
ともかく、ガイ君は「お腹ぎゅるぎゅる」であるらしい。

私はフリットのときに、聴診器を借りて聞かせてもらった
あの得も言われぬ、ものすごい音を思い出していた。
要するに、食べ過ぎ…。
そんなにたくさん食べさせたつもりはないのだが、
外の生活から一転したこともあって、
胃腸の機能がついてきていない、ということらしい。

外の生活が想像以上に厳しいものであることを、
ここでもまた改めて思い知らされ、心がちりりと焦げる。

吐きすぎて辛そうだったガイ君は、注射2本でみるみる復活。
今日も元気にご飯をきれいにたいらげていた。

そして、フロントラインをしてから3日たったので、
今日はいよいよ待ちに待ったシャンプー。
さあ!男前にしたるぞ〜と腕をまくる。
ぎゃーとも、すんとも言わず、おりこうにシャンプーされるガイ君。
ほんとにいい子! 絶対に飼いやすい、初めての人にも超おすすめ。
なんで、こんな子がずっと外にいたんだろう。
最初はあまりに人懐こいので、出入り自由の飼い猫かと思ったくらいだ。
間違いなく捨てられた子だ。なんでこんないい子を捨てるかな。
宝物だよ、この子は。

そのガイ君の今日の甘えっぷりといったらなかった。
顔が見えなくても、大声で呼び続ける。
まあ、普通は大嫌いなシャンプーも、じっと我慢して
おりこうにしていたんだもんね。
もうちょっとかまってくれてもいいじゃないか。
わかる、わかるよ、その気持ち。

外にいたときは、ここまで甘えん坊だとは思ってもみなかった。
かわいい。いじらしい。大きな赤ちゃん。
でも、いかんせん、手の数が足りない。
待っててね、ぜーったいキミは素晴らしい深窓のお坊っちゃまになる!
その日まで、もうちょっと仮の宿で我慢してくれい。
 
 


今日の白雪。
小さいけど大部屋と呼ぶ、犬猫みんなの部屋にとうとう、デビュー!
と、ワクワクどきどきしたのは私だけで、実にあっけなく移動は終わる。

白雪はどこに隠れるでもなく、物怖じせずに部屋を一周、
「猫走り一家」の面々は、終始変わらずぼーっとしている。
白雪がそこに加わることが最初からわかっていたように。
え? え? もっとシャーとかフーとかないの? そんなんでいいの? 
拍子抜けもいいとこだ。
ぼーっとしたとこまで、飼い主に似なくていいから。

ともあれ、第一段階クリア!ってことで、
いつもいつも、ありがとう。皆には頭が上がらない。
ごめんね。こんな母ちゃんで。
ユキなんてもう完璧に呆れてるもんね。
 
 


なるべく、皆の負担にはならないように気をつけよう、
と、誓ったそばから、今晩またもう一名、定員増。
例の駐車場で、ご飯の配達のあと(といっても、ここの子たちは
他の人たちからご飯をもらっているので、ほとんど食べはしないのだが)、
帰ろうとすると、1匹がどこまでも後追いしてくる。

この夏、突然現れたメスの黒猫で、やたらと気が強く、
元からいた子たちを蹴散らして、あっという間に女ボスにおさまった。
でも、その突出した人懐こさは、
いかにも「捨てられました」という看板をさげているようで、
他の子たちのご飯を取ってしまうのは困りものだが
不憫で仕方がない子だった。

近く保護の予定ではあったが、空いているケージはもうないし、
そろそろ軽く定員オーバー気味なので、こと慎重に進めるつもりだった。

でも。一心に顔を見上げながら、ずっと後をついてくる。
「どうする? 後でキャリーを持って、もっぺん来ようか?」
そこはもう車の通る道。
危ない、危ない、とハラハラしながら見守るなか、
猫は一瞬ためらった後、斜めに道を横切って端に車を避ける。
と、まだ後から自転車が来ているのに、
すぐにこっちに来ようとする。危ない!思わず声が出てしまう。

「ちょっと待って」あおぞらのリードを私に手渡すと、
彼が道路にひざまずいた。そのまま、ついと抱き上げる。
黒猫は、おとなしく抱かれて胸のあたりをフミフミしている。
家までは、まだずいぶんある。
いくらなんでも、それは無理でしょう。
迷いながら、それでもだんだん早足になりながら、
そおっとそおっと、二人とも無言で夢中でどんどん歩いた。
家へ、家へ。もう少し、もう少し。
頭に浮かんだ巨大な秒針が、スローモーションで時を刻んでいた。
ターーーーイム・アーーーーップ!?

そして。着いてしまった。家に。
黒い子を抱いたまま。。。
玄関にカギをかけ、どっと脱力した後、改めて二人ぼーぜん。
信じられない!! こんなことって、あり?

改めて明るいところで眺めると、とてもきれいな顔をしている。
甘えて鳴くぐらいで、とても静かだ。
そしてまたもや、ものすごいゴロすりさんだ。
この子は飼いやすいだろうな、とガイ君と同じことをまた思う。
なんでこんな子がずっと外に?
目が大きくてくりくりしているので、「くりちゃん」と命名。
とりあえず今日は一晩、大きめのキャリーの中で過ごしてもらう。
明日は早起きして、また病院だ。

それにつけても、と
私の中の火の玉はまたもや、ちりちりと燃えるのだ。
あの場所で餌やりをしている人たちは、どうして何もしないのか?
どういうふうに自分を納得させて、
あんな危険な場所に猫を放置したまま、
せっせと餌を捲くのだろう?
たぶん、それぞれの思いがこもったものではあるのだろうが、
アスファルトの地面に直置きされたフードの山には、
なめくじの大軍がびっしりたかり、見るも無残にふやけているのだが。

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04/10/05「一歩前進」


 本日の登場人物


  ガイ君 白雪
(new face! )

でか猫ガイ君。
大きな体にふさわしい、大きな声で抱っこをせがむ甘えん坊。
でも、赤ちゃんにゃんズのうんPの世話や、皆のご飯タイムなど
こちらが忙しくしていると、
自分の番が来るまで、おりこうに待っている。

今日はおとなしく爪切りをさせてくれた。
爪切りは楽しい。耳掃除も好き。
鼻くそ取
りも、目やに&涙拭きも大好き。
ほとんど趣味。
切っても切っても、すぐ伸びる、
なにしろ爪は優に300本以上たっぷりある。
腕が鳴るってもんだ♪



今日、とうとう「白雪」をなでることができた!
うれしい〜! じんわり、こみあげてくるものが。

白雪は8月15日、子猫が相次いで不審死を遂げた例の現場で保護をした
まだまだ、ふーしゃーの野良っこだ。
これまでも触れることぐらいはできたけど、
なでさせてくれるまでには、もっと時間がかかると思っていた。

これは、ガイ君の影響が大きい。
抱っこされたガイ君が「もう好きにして〜」とゴロゴロお腹を見せる様を
とても不思議なものを見るような目で眺めていたのだ。
ガイ君様さま!

獣医さんには、ほんとはリリースを勧められた。
相当キツい野良っこ気質だから、
慣れさせるには、かなり根性がいるだろう、とも。
もちろん、それは重々承知。
それでも、この子が元いた危険な場所に、
リリースする気はさらさらなかった。

 
 きれいな子。あなたの命は絶対守る。

白雪は死んだ子猫たちの母猫と、 おそらく姉妹なのだろう。
亡くなった女の子にも面影が似ている。
まだ若い。歯も真っ白でとてもきれいだ。

捕まえた時、幸い妊娠はしていなかったものの、
一カ月ほど前に出産した跡があった。
子猫のような若いお母さんだったのだろう。
その場所では最近、離乳したばかりの子猫は1匹も見ていないから、
おそらく生後すぐ死んでしまったのかもしれない。

白雪は人間にはシャーシャーだけど、猫が大好き。
この子は決して性格がキツいわけじゃない。
野良っこがキツいわけじゃない。
怖いだけだ。心休まる場所を持たず、たえず危険と隣り合わせで
警戒しながら気を張り詰めて生き延びてきたからだ。

バリバリの「野良っこ気質」の子が、べたべたの甘えん坊へと
劇的に変身した例はいくつもある。
白雪もかなり甘えん坊の素質があると睨んでいるが、
仮にそうならなかったとしても、別にかまわないと思っている。
人間に甘えなくても全然問題なし。
その子なりの信頼関係を築くことができれば、それでいい。

どういうふうに接すればいいのか、迷うことはしょっちゅうある。
でも、この子はきっと心を開く。それだけは信じている。
すでに少しずつ、変化の兆しを見せている。
それが感じられるだけで幸せだ。



白雪を保護できたのはあおぞらさんのおかげである。
本当なら、茶丸くんをお預かりするはずだったのに、
「その人にしか助けられない、足下の命をどうぞ助けてあげて」と
ぐずぐず迷う私に、強く保護を勧めてくださった。
そのおかげで踏み切ることができたのだ。

外にはまだ保護を予定している子たちがいる。
抱えた命のたくさんの重みを肌で感じながら、
(私は「責任」ということに対して、とりわけ重く厳しく考えている。
でも、それが当たり前ではないのか。何より命に関わることであれば。
それぞれの健康管理がおざなりになることを、数のせいにすることだけはすまい)

無茶だけはせず、少しずつ進めていこう。

あおぞらさんと話しているだけで勇気が湧く。
本当にありがとうございます。

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04/10/02「贈り物」


 本日の登場人物


  ガイ君(new face!) + 赤ちゃんにゃんズ 
 

昨夜はキジ猫キョウコちゃんと、彼女が最近連れてくる子猫の捕獲に失敗した。
ずいぶん遅くまで粘って、子猫はほんとうに後少し、というところだったのに
駄目だった。
そのかわり、立派な体格をしていながら、
新しく現れた女ボスをはじめ、皆に蹴散らされている、
てんで弱虫ナイスガイこと「ガイ君」を保護し、
今日無事に去勢手術を終えることができた。
エイズ・白血病の検査もマイナスで、ワクチンも打てたし、
数日張りつめていた緊張が少しだけ緩む。

同じ場所で先に保護・手術した「白雪」(メスの成猫)は、
ガイ君のことを覚えているのか、しきりに呼びかけていた。
ガイ君は、意外にも白雪には無頓着で、
「撫でろ〜かまえ〜」と人間に盛大に催促する。

ケージ越しに触れただけで、ゴロゴロいってお腹を見せて可愛いったらない。
これからはますます磨きをかけて男っぷりを上げるはずだ。
ただでさえ、これだけハンサムなんだもの。
実は早くも里親候補さんの話がある。慎重に。でもちょっとワクワク。
頑張れ、ガイ君。

   



結局この2カ月ばかり、パトロールをかねて餌やりをついに始めることになり、
チェックポイント6カ所ほど、個体識別できた子たちは20数匹になる。
といっても、常時全員の姿を見ることができるわけではない。

そして、毎日のご飯の配達は、当然のことながらキツイでござる。
それでも、それぞれの待っている顔が思い浮かんでくるので、
どんなに遅くなっても、体調が悪くても、くたびれ果てて動けなくても、
やっぱり気になって出かけていく。
こうしたことを、何年にもわたって続けている人は
本当にすごい。

見なれない顔が女の子だと、ドキッとする。
話を聞いてみると、手術を済ませた子だったりして、心臓に悪い。
相変わらず餌やりさんには、なかなかコンタクトがとれないでいる。

最近は猫缶があっという間になくなるので、
四六時中、缶詰を買いに走っているような気がする。
好き嫌いの激しい子もいるので、試行錯誤の真っ最中、
少しでも品揃えのよい店を発掘しながら、猫缶の棚の前で
呆然と悩むのもまた楽し、である。

毎日が手探りで迷うことも多いけれど、自分で決めたことだから、
その点は清々しい気持ちでできるのが嬉しい。
たぶん答えは、私と、関わった猫たちとのあいだに必ずあるのだろう。
それを見つけて行動に移すのは、人間である私の責任だと思うから。
腹をくくったら、あとはとにかく進むだけ。



 
 これが授乳していた3赤ちゃんです。
 
手前から「かん」(女の子)、「もん」(男の子)、「ひい」(男の子)。大きくなったよ。

一日、一日があっという間に飛んでいく。
気力だけでは、だんだん無茶がきかなくなる。
でも、私の状態は以前よりはるかにいい。
ずっと凪だった海に、心地よい風が出てきて、
大海原に漕ぎ出していく力が今はある。

なにしろ、こんなにかわいい家族が増えた。
それだけで幸せすぎる。
天からの贈り物を授かったとしか思えない。

3赤ちゃんの体重を毎日はかる。
喜びのぶんだけ、着実に重さが増えていくような気がする。
8月の朝、ハエのたかる段ボールの中で死にかけていた3匹。
ミルクを吐き、下痢と血便が止まらず、
かわるがわるぐったりとなるたび、病院に走った。
その3匹が全員、こんなに大きく育つなんて、
あのとき誰も、病院の先生でさえ思わなかった。
すくすくと伸びていく3つの個性。
来週はいよいよ初めてのワクチンだ。

 
 
 
3匹のなかで唯一女の子の「かん」ちゃん。いちばんの甘えん坊。
  発見したときは目やにで目がつぶれ、まるで土偶のような顔でしたが、こんなに可愛くなりました。

 
 おさるさん「かん」ちゃん。「抱っこして〜」とおねだり中。

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