●ひなびた日記/05年1月●


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1月日記
1月 1日「トリ縁起」

1月19日「使用前・使用後」

1月10日「THE BIG ISSUE」 1月31日「旅立ち」




05/01/31「旅立ち」


 本日の登場人物

  くり 

とある雑誌における私の仕事というのは校正で、
髪の毛ひと条も望みはしなかったのに、
某作家の小説が担当ページのひとつになっている。

イラク戦争などの時事や歴史的事実などを、
物語中にやたら織り込みたがるが、間違いはしょっちゅう。
「諾(うべな)う」「諾った」の連発さえ、まだよしとする、
ナンパなストーリーから浮きまくって網膜剥離を起こしそうだけど。
いくらでも「嘆息を零(こぼ)」しちゃってよ。
なにがしは、なんたらかんたら「と、返事を戻した」ってのにも慣れました。

うじうじしたり、酒を飲んだり、風に吹かれたり、のべつしている主人公に、
「やかましいわっ!」と、つい険しい気持ちになるも、
次々と登場する、いいオトナといってよい女性たち皆がみんな、
この優柔不断な身勝手男にベタ惚れで、いきなりチューしたり裸になったり、
やんややんやの展開に…あ、めまいが…いったん
もめんの幻覚が。

怨々と呪詛を吐きながら、
知らない間に人に迷惑をかけるというのはこういうことかと
青ざめた額にあぶら汗を浮かべ、毎回、我が身を省みる。



昨日、くりちゃんのお見合いが無事終了した。
何度もメールのやりとりをして、十分な確信を得ていたけれど、
先週風邪で寝込んだこともあって、あっという間に当日を迎え、
忘れ物はないか、抜けていることがないか、ボケボケした頭で、
何度も指折り反芻しながら、待ち合わせ場所の駅改札に向かう。

胸に赤いバラをつけて、などと特に目印を定めずとも、
長身で超ロングヘアの美女は、人込みのなかで、ひときわ黒猫オーラを放ち、
ひと目でわかった。

里親さんは、華々しくも着実なキャリアを重ねた自立した大人の女性で、
かつ、たゆまぬ努力でレッスンに勤しむ、セミプロ級の歌姫でもある。

このたび、ペット可のマンションにお引っ越しされるにあたり、
長年の夢であった、猫との生活を実現すべく、
お互いによきパートナーとなれる猫を探している時に、
くりちゃんに目を留めてくださった。

お話を伺えば伺うほど、思い描いておられるパートナーとして、
くりちゃんほどぴったりの猫はいない、と驚きとともに何度も確信した。

いつもは猫密度の低い部屋にいるくりちゃんを、
小さくとも大部屋と呼ぶ、大半の猫たちがいる部屋に連れてきて、
どうかしら?と思っていたが、
皆のなかで、思ったよりも落ち着いて、
しかもずいぶんと辛抱強く頑張っていた。
じっと見つめる里親さんに、
すっと近づき、すりすりとしたくりちゃんは、
穏やかな、とてもいい顔をしていた。
もっとも、誰かが側を通るたび、
「いやっ、ばかっ」と唸ったりパンチを繰り出したりはしていたが。

ところが、里親さんはチビにゃんたちにも大人気で、
終始数匹がお膝に乗って離れようとしないものだから、慎み深いくりちゃんは、
「今日の主役は、くりなんだよ」といくら言ってみても、
いつものように、一歩引いたところでつつましく佇むのだった。

窓の外をじっと見ていたくりちゃん。新しいママだよ。わかったかな?
あなたに注がれていたやさしいまなざしに気づいたかな?
来週とうとう旅立ち。長かったね。ごめんね。
結局十分なことをしてあげられなかった。かわいい くり。賢いくり。
もうすぐ「せれん」ちゃんになるんだよ。どうかどうか、末永く幸せに。

くりちゃんを応援し、見守ってくださった皆様、
本当にありがとうございました。


ずっと闘病されていた、温かく強い方が、
昨晩とうとう逝ってしまわれた。
猫のことを、やさしい文章で綴られた日記が好きだった。
時折アップされる、4コマ漫画風に構成された猫写真は
どんなに願っても、もう二度と見られない。
インターネットという世界で、言葉にならないほど多くのものを
たくさん人たちに確かに残して、大きな人がゆっくりと過ぎていった。
ansan先生の御冥福を、心からお祈りします。

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05/01/19「使用前・使用後」


 本日の登場人物

  ガイ 

ご近所に、その道を極めた人の家があるらしい。
先日も、何があったのか沿道にずらりと、
道を極めたい人、極めつつある人が揃い踏みで
それはまったく、壮観というほかなかったものだから、
私ってば「何?撮影?」と、のんきに ちょこちょこ
寄ってってしまったぢゃないの。「げっ、ホンモノ!」
こんな調子で、いつか玉砕するんだろうな、私。

今日、若い衆が一人せっせと黒塗りの車を磨いていた。
その脇を通り抜けようとしたとき、彼の携帯が鳴った。
…そうきたか。
着メロは「We Are The World」だった。ナイスな選曲。




 
 この子はだあれ?
  答え。初めて会ったガイ。

去年の確か6月だった。
いい天気で気持ちがよかったものだから、いつもの散歩コースより
ちょっと足をのばしてみたのだ。

子猫たちが死んだ例の駐車場の近くで、ガイに会った。
最初から触らせてくれたし、写真も撮れた。
でも、別に撫でられても特にうれしいふうではなくて、
しばらくすると「もう飽きた」とばかり、ぷいと離れて
毛づくろいに専念しはじめた。
外にいた時のガイは、いつもこんなふうにそっけなかった。

  一年も経たないうちにオッサン。

それが、見た目も性格も激変。
帰宅すると、ちびにゃん達より先に抱っこをせがむ。
そのまま頑として降りないから、
帰ってからのあれやこれやを、私はこのでぶりんを
片手に抱えたまま、やんなきゃならない羽目になるのだ。
いつも筋トレしてくれて、ありがとうねガイ。

 
 ワガママですが、何か?

きれいな緑の目が、やはりキジ白の子で今は亡きビルマを思わせる。
最近調子に乗って、たまに たいちゃんを叩いたりするのもそっくり。

1月11日はビルマの命日だった。
あれから一年。一日だって忘れたことはないけれど、
時が流れるのは、本当に早い。

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05/01/10「THE BIG ISSUE」


 本日の登場人物

  ソニア  ミーティア(new face!)  くり

連休最後に「新春ジャンクション」という落語会に行ってきた。
これに行かないと、新年が明けたという気がしない。
飛び入り有りの、出演者それぞれが炸裂した、よい会だった。

会の前に、駅前で『ビッグイシュー日本版』を売っていたので即買い。
彼が最新号を買ったので、私はジョス・ストーンが表紙のバックナンバーを。
これはホ−ムレス自立支援のための雑誌だけど、中身もなかなか面白い。

販売員のおっちゃんは、浪曲師のような渋い美声。
今日は隣で、もう本当にお先真っ暗という感じの政党が、
街頭演説をしたいのか、したくないのか、固まってうだうだしてるものだから、
実にやりにくそうで、気の毒だった。



ソニアは今、トイレの練習中。
どうやら猫トイレを認識していないようだ。
元の飼い主は、家に猫用トイレを設置せず、出入り自由にして
外で排泄させていたのではないか。

今月避妊手術の予定だが、食が細く、まだ痛々しいほどに痩せている。
人間が側について、触ってあげて初めて食べはじめるのが切ない。
でも、食欲はあるようだし、うんちもとてもきれいなので、
この調子で、徐々に体力と栄養をつけてほしい。

人慣れ度抜群の超美人さんなのだから、
きっといい里親さんが見つかるはず。頑張ろう。



新年早々、一度見たら忘れられない、スーパーモデルも真っ青の
超個性派美女を保護
彼が「この子、白猫…だよね?」と確認したほど、
ぼろ雑巾のように汚れ、ノミだらけ灰かぶり姫だったけど、
エイズも白血病も陰性で、とっても元気。
ただ慢性の鼻炎がひどくて、鼻水がつらら状態。

 
 推定年齢5歳以上。早くもお局様の風格。
 
ミーティアという名前は、ドラクエ8に出てくる、
悪者の呪いによって、白馬に姿を変えられてしまった美しいお姫様から。
呪いをといて、幸せをつかもう!

それにしても、わかっちゃいるけど、名前のセンス、ゼロである。
病院で「ミーティアです」と言ったら、
先生に何回も「え?え?」と聞き返され、
恥ずかしくて答える声がどんどん小さくなってしまった。

ふと思いついて、「ハナミズキ アリサ」というのはどうだろう、
と提案してみたのだが、ものの2秒で彼に却下される。

  かわいい、おでこちゃん。

今はまだ、ふがふが鼻が苦しそうだけれど、
私は鼻水を拭くのがほとんど趣味だし、
ミーティアも鼻が通ると気持ちよさそうだ。
保護してまだ3日ほどだが、
温かくして、こまめに鼻水を拭いてあげるだけで
ずいぶん違う。
たぶんこれから、もっともっと美人になっていくはず。
近々、ソニアと一緒に里親募集を開始する予定ですので、
どうぞよろしくお願いします。



くりちゃんのお見合いと幸せが刻々と近づいています。
正式に決定したら、また改めてきちんとご紹介させて頂くつもりですが、
里親希望の方は、本当に素敵な女性です。
今、ひとつひとつ、くりちゃんのものを整えてくださっていて、
すでに、とても素敵な名前まで、もう実は考えてくださっているのです。

先走りすぎて、この大切なご縁を台無しにしないよう、
十分に自戒しているつもりですが、気分はもうはや、
落語の「妾馬」に出てくる八五郎あんちゃんのそれで、
「くり、おまえよう、よくまあ、そんな立派になって…(泣)」
という感じなのです。

わが家のなかでも、健康優良児のくりちゃんですが、
年末の冷え込みで、一時少し涙目になり、目が腫れてしまいました。
せっかくのお見合い当日、お岩さん状態になったらどうしよう、と
はらはらしていましたが、この頃まだ目やには少し出るものの、
ようやく本来のくりちゃんらしい、くりくりした目に戻ってきて、
ひと安心です。

それにしても、毎回その子の個性にぴったりのお家に名乗りをあげて頂ける
ご縁の不思議。いつも目を見張るばかり。今回もまた。
「おまえは、すごい子だねえ」と、愛しいくりちゃんの頭を撫でてしまいます。

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05/01/01「トリ縁起」


 本日の登場人物

  あおぞら  ちびたん  フリット

昨夜の散歩。
誰もいない公園に、子どもが作ったのか、
小さな雪だるまがひとつ。
葉っぱなどで上手に目鼻をつけて、たいそう愛らしい。
それなのに、あおぞらったら
この見慣れないものが怖かったらしく、大変な警戒ぶり。

一緒に近づいてみると、相手が動かないのに少し安心したのか、
しきりに匂いを嗅いでいる。
初めて出会う未知のものは怖いよね。私もおんなじ。
でも、一度通り過ぎてさえしまえば、意外と「なあんだ」ってことが多い。
これからも一緒にいろんなことを経験して
怖いものを一つひとつ、減らしていこうね。



明け方まだ暗いうちに、すぐ近くの神社に初詣で。
小ぢんまりとした神社の境内は、
人出も少なく一層寒い。
ここは5月に拾ったすずめのヒナ、ちびたんをお外に帰した思い出の場所。

  すっかり元気になった ちびたん。

私ときたら、ちびたん顛末記の後半が未完のまま今日に至っているので、
ここに、かいつまんで書いておくと、
拾った日の晩がヤマだったらしく、その後ちびたんはみるみる回復していった。

後で病院で聞いてみると、たまたま保温に努めたのが功を奏したらしい。
奇跡的に運がよかったというべきだろうが、
この強運を招き寄せたのは、小さなちびたんの驚異的な生命力に他ならない。
まさに、
ちびたん、エライ!のひと言である。

  ぎこちない抱き方で、お別れのツーショット撮影。
 
とりあえず元気にはなったものの、
ひとたび人間の手が入った野鳥が、再び野生で生きていくのは難しいというので
今後のことをまた悩む。

でも元気になったちびたんが、お母さんを呼ぶかのように力一杯鳴くので、
やはり外に放してあげたほうがよいのでは、という気持ちが固まる。

ただ、なかなか開かない片方の羽が折れているかもしれないので、
歩きや自転車で行くには少々遠かったけれど、
小鳥も診てくれる病院に、念のために連れていく。
それがまた今考えれば偶然に、いい獣医さんとの出会いを呼んだのだった。
(幸い、羽は異常なしだった)

後日、猫たちのことで、いくつか他の病院も行ってみたが、
結局、今かかりつけの先生は、この時ちびたんを診てくれた先生なのである。
お外の子でもきちんと診てくれ、もンのすごく汚かったフリットの時も
「こりゃあすごい!」というだけで、嫌な顔ひとつしない。
何度も避妊・去勢手術でお世話になっているが、
こんなにきれいに手術する先生は初めてで驚いてしまった。
これも皆ちびたんのおかげなのだから、不思議な巡り合わせもあるものだ。

  仲間のもとに帰っていったちびたん。いつまでも元気で…

いよいよお別れの時。
ちびたんを包んでいた手を空に向けて開くと、
ちびたんは力強く一直線に緑の葉が生い茂る木々を目指して飛び立った。
枝の上で、ちょこちょこ向きを変えながら、ちびたんが元気いっぱいに鳴く。
それに応えるかのように、すずめの一群が口々にさえずる。
その後、自分の群れを見つけたのか、ぱっと飛び立って、
ちびたんは木々の梢に見えなくなった。

ちびたんと別れて、しんみりとした気持ちで、
せっかくだからと神社を一周してみると、
偶然、ここは鳥の神社といわれていると判明。
確かに立派な木がたくさんあって、絶えずいろんな鳥の鳴き声が聞こえてくる。

「神社に来る鳥たち」という、たくさんの鳥を描いた説明書きには、
ウグイスやメジロなどとともに「スズメ」というのもちゃんとあった。

ちびたんに出会ってから、前よりも空をよく眺める。
それまで風景の中に溶け込んでいた小さなすずめの存在が、
以前よりもよく目につくようになった。

薄曇りの初夏の日の別れが、つい昨日のことのようだ。

初詣でのことから、今日は猫ではなく鳥の話を書いてきたが、
よく考えたら、今年は酉年なのだった。これまた偶然!



お賽銭をあげて一番に祈ったのは、やっぱり猫たちの健康。
おみくじをひいたら、つつましく吉と出た。
そのわりに嬉しいことがたくさん書いてあって、のどかにお正月が明ける。
こんなにゆったりとした時間は本当に久しぶり。

スピッツの歌ではないけれど、悲しい話は消えなくたって、輝く明日だね。
目の前の壁を越えるまで、引き続き悪あがきはやめないんだ。
自分のやらなきゃいけないことは、わかってる。

新しい年を、忘れがたい大切なものにしたい。
この一年、人も動物も、できるだけ安らかな時を過ごせますように。
やさしい気持ちを持つ人ばかりが辛い思いをしませんように。

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