●ひなびた日記/05年4〜5月●


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5日記

5月19日「僕のために祈ってくれ」

 



4月日記
4月 1日「次 行ってみよう」

4月20日「怒濤のはじまり」

4月15日「Haircut 100」  


05/05/19「僕のために祈ってくれ」


 本日の登場人物

 白猫・じろ吉 

じろ吉が死んだ。
じろ吉はこの一年間、外でずっと餌やりをしてきた子だ。

笑っちゃうほど大きな声で鳴きながら、
どこまでも後をついてくる子だった。
時には餌に見向きもせずに、何事か大声で訴えるようにして追いかけてきた。

そのくせ、手を伸ばすと、驚いたような顔をしてさっと逃げる。
あおぞらには、べたべたすりすりするくせに。
こちらも外に置いておく以上、
あまり人慣れさせるのも危なかろうと、無理に触ろうとはしなかった。

食いしん坊で元気いっぱいのお人好し。
目が小さくて丸い顔が、もひかん3にゃんの長男坊ひぃに似ている。

今日、仕事の前に慌ただしく犬の散歩をしていると、
路地を入ったところで、じろ吉が寝ているのが見えた。
朝からずいぶん暑かったので、日陰の涼しいところで、
気持ちよく昼寝をしているのだと思った。

そっと立ち去ろうかと思ったけれど、
ふとイタズラ心を起こして、くすくす笑いをかみころし近づいた。
いつもなら、とぼけた顔ですぐ振り返るのに、
今日はぴくりとも動かない。

…あれ?

石のように動かない体。
顔の下一面、アスファルトに染み込んだ血だまり。
まだ鮮やかな鼻血が目に飛び込んだ。
そこだけ世界が切り取られた。

そっと触れたじろ吉はもう逃げなかった。
すでに冷たく固くなっていた。
そのまま背中を何度か撫でた。
逆立った背中の毛が、風に吹かれ、そよいだ。
お尻のところでひとかたまりになっていた抜け毛が、
たんぽぽの綿毛のように、ふわりと飛んでいった。

彼に箱を持ってきてもらい、迷わず連れて帰った。
じろ吉は大きくて、箱がちょっと窮屈そうだった。
仕事に行く時間がせまっていたけど、
葬儀屋さんに連絡して、土曜日の朝焼いてもらう段取りをつけた。
なるべく傷まないように、ありったけの保冷剤を箱に入れた。
結局、仕事には遅刻した。

下を向いて仕事をしていると、いくらでも涙と鼻水が垂れてくる。
こんな気持ちで、今日明日二日も仕事をしなければならないのが辛い。

昨日の夜は元気でご飯を食べに出てきたのに。
どうして?と思うと、ぶわっと涙がこみあげる。
公園のすぐ横は狭いのにスピードを出す車が多く通る道路。
たぶん、そこで撥ねられて、最後の力を振り絞り
住み慣れた路地に入ってきたところで力つきたのだろう。

交通事故。それ以外の原因はあまり考えたくない。
いつも上手に道を渡って走ってきた姿が目に浮かぶ。
散歩に行くたび、
賑やかな楽隊のようにまとわりついてきたじろ吉、
今日また散歩に行っても、
もう二度とその姿を見られないのだという事実が、
どうしても信じられない。

じろ吉ごめん。
生きてる間に、家に連れ帰ってあげられなくて。
本当にごめん。
家の子にしてあげられなくて。
「じろ吉」なんて変な名前をつけちゃって、
ほんとごめん。

ロシア映画で「僕の無事を祈ってくれ」というのがあった。
私はいま願わずにはいられない。
誰か、じろ吉のために祈ってくれ。
一年前に出会ったときには、まだ子猫の面影を残した、
おそらく2歳にもならないこの若い男の子の死を
私ではない誰かに悼んでほしい。

じろ吉の写真は一枚もない。
でも、じろ吉という子が確かにこの世に存在していたということを
私以外の誰かにも、心の片隅にとどめていてもらいたい。

もうすぐ穴があくであろう胃がまたしくしくと泣き出した。
Tシャツでちょうどいいくらいの気温なのに、指の先が変に冷たい。
いつどのように落ちようかと生真面目に悩むハンプティダンプティのように
私はいま高い塀の上でゆらゆらと揺れている。
同時にどこか遠くで、無駄なことだと重々知りつつ、「時間を戻せ」と
小さな子どものように地団駄ふんで泣きわめく私がいる。

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05/04/20「怒濤のはじまり」


 本日の登場人物

 乳飲み子4にゃん(へその緒付き) 

先日、ひめちゃんの里親さんのお家に遊びに行って、
それは楽しく幸せな時間を過ごした。
原っぱ公園で私もリードを持たせてもらい、
ひめちゃんと思いきり走ったときの感動は、
いろんな思いがないまぜになり、ちょっと言葉では言い表せない。

当初から、部屋の中で飼いたい、という強い希望を持って、
それをわずかな時間で、着実に実現していった里親さんには
幸せそのもの、といった顔をしているひめちゃんを見るにつけ、
感謝の気持ちで頭が下がる。

ひめちゃんばかりでなく、ご家族の皆さんに会えるのも、
私にとってどれほど楽しみなことだろう。
本好きの、お人形さんのようにかわいい女の子と、
お母さんのことが大大大好きなやんちゃな男の子の
終始テンションの全く下がらない
おしゃべりが、
まあ面白いったらないのだ。

今回は新しく家族に加わった黒猫のお転婆姫にも
お目見えすることがやっと叶い、
例によって時間を忘れて長居をしてしまったのだった。


そして、今週末には心待ちにしていた せれんちゃんのお宅、
そしてその後は古い古い友人宅へ赤ちゃんを見に行く約束を
やっと果たせるなど、今月は珍しく仕事以外の楽しい予定が
春らしく賑やかに詰まっていた、はずだった。

ところが、昨夜遅く、あおぞらの散歩に行って、
頭を抱えてしまう とんでもないものを発見してしまったのだ。

外猫たちの集まる数カ所のうちのひとつで、
どこからか、ぴーぴーか細い声を振り絞って鳴く声が。
それがゴミ箱の中からだとわかった時、
もうすでに頭は真っ白になっていた。

明かりがないので、携帯画面のわずかな光で中を照らす。
最悪。何かがもこもこと動いているビニール袋を発見した。

  …まだ目も開いていません。

  

大きな声で鳴いてる。動いてる。何匹? ぐったりしてる子は?
死んでる子もいるかも… ああ暗くてよく見えない。
ビニール袋を抱える手ががくがくと震えてくる。

「出た!出た!猫捨て!出た!」 携帯で彼に電話をするが、
わななく声で何しゃべってるのか自分でもよくわからない。
車で迎えに来てもらい、「落ち着いて!」と叱られながら、
せめて懐に入れて温めようとしたが手が震え、
もたもたしているうちに家についてしまう。

幸い全員生きていた。全部で4匹、
パリパリに乾いたへその緒がついたまま、まだ目も開いていない。
空き箱にタオルとペットシーツを敷いてペットボトル湯たんぽを作る。
まずは保温。それから他の子たちを他の部屋に追いやって隔離。
その間に、彼が深夜営業のディスカウントショップに車を飛ばす。
ついてる!最後のミルク一缶ゲット!
さて授乳、というところで、やり方をほとんど忘れていることに気づき、
二人して呆然とする。
それでもやってるうちに少しずつ思い出してきた。

授乳のあと、上手く排泄できたので少しほっとする。いいうんち。

  アクビ! ちっちゃなピンクの口。

 
 りんちゃん そっくりな子も…

朝いちで病院。先生に「また拾っちゃいました〜」
救いは発見が比較的早かったようで、4にゃんとも状態はかなりいいこと。
ただ、あまりに小さいので予断は許さない。
「体力」「不安」「寝不足」「根性」…。
どーする、ワタシ。 つづくっっっ!


後記:この日保護した乳飲み子4にゃん
兄妹いっしょに、素敵な里親さんのもとに旅立ちました。
ありがとうございました!!

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05/04/15「Haircut 100」


 本日の登場人物

  ヒコ 

春になったら、髪を切ろうと決めていた。
春だしね。もう少し自分のことも きちんとしようと思ったの。
けど、なかなか時間がなくて、先週末やっとこさで駆け込み。

一年に一度行くか行かないかの体たらくなのだが、
ここ数年ずっと「王様」のところで切ってもらっている。
ピンとはねた口鬚も、外向きにカールしたくせっ毛も、
たっぷり飛び出たお腹まで
、もうまんまそのものにしか見えなくて、
私が勝手に、こっそりとそう呼んでいるのだが、
王様は、玉杖のかわりに手にしたハサミで、
ものの30分足らず、さくさく思い切りよく切ってくれる。

王様のカットは独特で、いつもお任せだけれど気に入ってる。
久しぶりのおさるさんヘアで、すっきり。
やっぱり短いほうが自分らしいや。

只今、雑誌の校了中。
トイレでバッタリ会ったとき、彼女が「あ!」という顔をしたものだから
髪のことかな、と少々照れテレとなったのも、
あながち自意識過剰とばかりは言い切れまい。

しかし、彼女はこう言ったのだ。
「ねえっ。どーして、こぶ平が正蔵を継ぐのーっ!?」
?????
いや、あの、私が決めたわけでは……。

今日の出前のお弁当、ふたを取ったとたん、彼女は世にも悲しい顔をした。
にゅっと首をのばし私のお弁当をのぞくと、 「ひどいっ!忘れてる!」
彼女が頼んだのは洋風弁当。私のは和風弁当で、
ごはんにゴマのふりかけは和風のみのオプションだったのだが。
事実が判明した後も、彼女はずっと悔やみ続け、
私はそんな彼女が、実はかなり好きだったりする。




  ヒコ、熟睡中。

ヒコの寝顔はいつも笑っているように見える。
大好きな兄ちゃん達にひっついて、とても幸せそうに眠る。
寝る子は育つ。
年末の休み前に滑り込みで去勢手術を無事終えて以後、
ぐんぐん体も大きくなり、めっきり男っぽくなってきた。

けど、それでもヒコは、やっぱりわが家でいちばんの弱虫。
そして、びっくりするほど鈍くさい。
思いもかけないところに挟まったり絡まったりとまあ忙しいこと。

先日も、買い物用トートバッグの持ち手に、
一体どうしてそうなったのか、ぐるぐる巻きになっていて、
ぴぃぴぃ鳴いているから驚いた。
助けようとすると怒ってシャーするのだけは一人前。
まったくもう。
そのたびに、わが家はヒコちゃん仕様でますます安全になっていく。

  りんちゃんと、可愛い恋のメロディー継続中。

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05/04/01「次 行ってみよう」


 本日の登場人物

  ミーティア 

はえ〜〜〜〜燃え尽きた。

最後の3日はほとんど徹夜… 昨夏の授乳時並みの寝不足。
でも、一晩寝たらリフレッシュ。
おーう!生命の神秘!

昨日は過去最大の修羅場がクライマックス。
あんまり寝てないと手が震えてくるので何かと不便。
おまけに買い物に
行く余裕すらないので、
一昨日、最後のひとつだったカップラーメン食べちゃったから、
食料ゼロ。コーヒーonly。
さすがに夜の10時頃、空腹のあまり地球の自転を体感しだしたから、
このままでは家の中で行き倒れると、食料求めて家中捜索。
ずっと前にもらったりんごチップ発見♪ バリバリ食す。

さらにパソコンはエラーとフリーズの乱れ打ち。
頭がくるくるぱーになってる時に、訳ワカランこと言わんでください、
iBookさん。……こき使ってごめんなさい。

締め切りまで残り30分を切る。
ひ〜〜〜終わらん〜〜〜神様〜〜〜
思い思いの場所で私の分まで眠ってくれて
る猫たちに、
「みんな〜〜母ちゃんに力を貸して〜〜〜」究極の猫頼み。

すると、それまで寝ていたミーチ、
すっくと立ち上がり、すたすたとやって来た。
そしてぴょん!とパソコンの上に飛び乗ると、
「あああっ!」と声をあげる間もなく、
キーボードでバリバリ爪を研いでくれました………
ちが〜う!そーゆーことじゃっ、な〜〜〜い! 

  頼みますよ、姐さん。

ともかく終わった終わった。
さ、次行くぞ!
目の前にはすでに次のお仕事。しくしく。

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