トモロウが末っ子になったわけ

その3 プリンという名の子猫の死

昔、プリンという名の子猫がいました。生まれて初めて飼った子猫です。女の子だったので大好きなジャニス・ジョプリンから「プリン」と名づけました。

 「そんな名前、早死にしたりして」友人が冗談をいい、私は大きな声で笑っていました。


でも本当に、プリンはあっという間に死んでしまいました。「様子がちょっと変だな」と思いながらも、たまたまその週、忙しさにまぎれているうちに、真っ青になって夜遅く病院に飛び込んだ時にはもう手後れでした。一晩もたないといわれ、泣きながら家に帰り、朝までずっと見守りました。

それでも私は絶対助かるとどこかで信じていました。奇跡が起こり、朝になったらまた元気に「にゃあ」と鳴いてくれそうな気がして。

もう10年以上も前のことなのに、今でもあの長くて恐ろしい夜のことを思うと、息をするのも苦しくなります。明け方、プリンは苦しそうに「ギィ」と一声鳴いて冷たくなりました。

信じられませんでした。取り返しのつかないことがあるのだということ、奇跡が起こると信じていた自分の思い上がり(命は奇跡などで、ほいほい助かるような軽いものではありませんでした)、こんなに身近に、命のすぐ裏側に「死」は常にはりついているのだということ、そして二度と時間が戻らないこと・・・大切なことのほとんどすべてを、私はそのとき学びましたが、代償はあまりにも大きすぎました。


思い出というには、あまりにも痛い経験です。
それ以来、私がつきあう猫たちは、たいがい大人の猫でした。子猫はかわいすぎて、小さすぎて…壊れてしまいそうで、とても恐ろしかったからです。

お兄ちゃん、大好き…出会ったその日から二人は兄弟でした。

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