捨てられてガリガリになり、妊娠中だったノンちゃん





ノン

H9年8月。たまたま通った線路の踏み切り。
駅のホームには、妊娠末期の大きいお腹を
した、ノンちゃんがいました。
お腹だけは大きかったのですが、体はガリガリ
に痩せていました。
人懐っこい可愛い性格ですが、満足に餌を
あげる人はいなかったのです。

栄養状態が悪くて、子猫たちはまず育たない。
生まれてから死ぬ方が、母猫も子猫ももっと
可哀想だ。避妊手術をしなければと、すぐに
病院へ連れていきました。



退院後、近くに人に話を聞くと、やはり捨てられたとの事。
面倒を見る人がいるだろうか・・・と迷いながらも、一旦元いた場所に戻しました。
しかし、栄養状態が悪い、手術後・・・。
どうしても気になって、3時間後に戻ってみると、ノンちゃんは、同じ場所でずっと私を待って
いました。
部屋には、もう猫が7匹。外で面倒をみようと考え、連れて帰り、外の餌場を教えました。
しかし3日後、ノンちゃんがフラフラに。極度の貧血状態になっていました。
すぐに、室内で保護する事にしました。

ノンは、純粋なメインクーン。捨てられて、いっぱい辛い思いをしたのでしょう。
来た当初、狭い10畳の我が家でも、とても喜んで、ピョンピョンと跳ねていました。
既に、猫が7匹いましたが、負けたくないと必死だったのでしょう。
猫たちに対しては、狼の様なドスのきいた唸り声で、威嚇し続けました。
そのお陰で、7匹の猫が全員、怖くて高い所から降りられなくなりました。
ご飯もトイレも、ノンが寝た時に急いで下りてまた上るという状態で、我慢する猫までいました。


猫同士の事は、猫同士でしか解決しない、私は何もせずに放って置きました。
勿論、たまには、下りれない猫を下ろして、ご飯場所やトイレ場所まで連れて行ったりは
しましたが。
それでも、1週間で猫たちも慣れ、みんな下に降りて来る様になりました。
ノンちゃんとは、距離を置きつつ唸り合いつつも、普段通りに戻りました。

1カ月後、ノンちゃんと他の7匹の関係は落ち着きました。
そして、ノンちゃんとチカちゃんは、大の仲良しになりました。
寝る時もご飯の時も、いつも一緒。ノンちゃんにとって幸せな日々が続きました。

しかし、数ヵ月後には、事態が一変。
生後3ヶ月のテツ&クリ兄弟を保護した為に、チカは、テツ&クリにかかりっきりになり、
関心は24時間、テツ&クリに注がれる様になってしまいました。
そんなチカに対して、ノンはパンチしたり、唸ったり、とあの手この手で関心を引こうとしました
が、チカは一切相手にしません。


その1ヵ月後、ノンちゃんは遂に、拒食症になってしまいました。
元気が無くなり、ご飯を食べなくなりました。
チカの関心を引こうと頑張る事は無くなりましたが、怒りっぽくはなりました。
予想以上に、繊細な神経の持つ主だったのです。
チカは、そんなノンには全く無関心でした。


そう、猫も人間と同様に、喜怒哀楽が豊かで、その性格や感情は様々。
親子でも兄弟姉妹でも、みんな違います。まさに、10猫10色です。


テツ&クリが大きくなり、チカとの間に少し距離が出来る様になっても、チカとノンの関係は
以前の様な仲良し状態になる事はありませんでした。


H13.3.20
 ノンは死んでしまいました。
捕獲協力で出かけた間の出来事で、最後に立ち会えませんでした・・・。