モデル指定地区、東京都「飼い主のいない猫との共生モデルプラン」


猫に関する苦情事例
西東京市、一戸建て住宅街


猫大嫌いな主婦2人が、町内での「猫との共生」を進める取り組みの代表となる。

猫約30匹の避妊・去勢手術費用は、全額、町内会費から捻出する事が決定する。
町内での、「餌やり禁止」が全面撤回され、「餌やり全面許可」 となった事から、
無責任な餌やり人たちは、猫の捕獲・手術に全面協力をする様になり、猫たちの手術は短期間で進んだ。


経緯

一戸建て住宅街。 猫が30匹ほどに増える。
 猫や餌やりの事を巡っての、警察沙汰、パトカー騒ぎも数回あり。
 住民、餌やり人、住民以外の餌やり人、たちの間での感情的対立が頻繁にあり。
 糞尿の問題、繁殖の問題、鳴き声の問題などなど、長い間続く。
 「餌やり禁止」が町内会で決定しても、猫問題が根本解決に至る目処は立たず、住民たちは猫問題の根本解決の為の対応に苦慮し、困りながらも現状は放置されていた。


H14.9月、町内会で、正式に餌やり禁止が決定する。
餌やり禁止を徹底する為に、餌やりを監視する住民が、交代で見張りをする。
しかし、猫の繁殖が相次ぎ、一向に猫問題の根本解決が出来る見通しが立たない。

H14.10、猫嫌いな主婦2人の内の1人が、知り合いから私の電話番号を聞き、町内会副会長さん(70歳代の方)が、私に電話をしてきたことをキッカケに、正式に関わる。
猫の嫌いな主婦2人、町内会長、町内副会長、と5人で会い、根本解決に向けてのお話をさせて頂く。
猫嫌いな主婦の2人が、町内の代表として、頑張る決意をする。


 H14.10月下旬、代表となった猫嫌い主婦の2人、町内会長さん、町内副会長さん、たちの根気強い、町内会の役員会、町内会の住民総会、などでの説明が続く。

 説明をし理解を得る為の資料準備なども、皆さんで協力して行った。
 決して、順調に進んだ訳ではありません。見えない先に苛立ち、やる気を無くしかけた人も出ました。しかし、「命に優しい方法で、自分たちの居住環境を良くしていきたい。」 「最後まで頑張りたい。」と励まし合いながら、住民たちの理解を徐々に得ていった。

 町内会の総会で、「餌やり全面許可」 「避妊・去勢手術費用の全額捻出」 が決定する。
 餌付けは、猫たちへの捕獲・手術の為、猫たちが1代限りで寿命をまっとうし、徐々に減っていなくなるまで、またはその間に、新入り猫が現われても、繁殖させずに、随時の手術(数の徹底管理)が出来る様にする為、継続して行う事が理想的です。

 餌場は、町内の一角に決定する。
 当初の猫への餌付けは、猫嫌いの主婦2人、会長さんや副会長さんが、交代で行った。

餌場に、皆さんがご案内をして下さった。
猫たちは、追い払われ、怖がっていた猫嫌い主婦のいる傍でも、
安心して通れる様になった。まだビクビクの猫もいますね。
避妊・去勢手術をする為には、まずは猫たちに、手術に
耐えられるだけの体力を付ける必要があります。
毎日満腹に食べられて、肉付きも随分良くなりました。

順番待ちをする余裕も出てきました。もう、餌を巡っての争いはありません。

 隠れて餌やりをしていた人たちに対しても、趣旨の説明と理解を求め、安心して猫に餌を与える様、手術の為の捕獲に協力をする様、皆さんが働きかけた。

 いつも人目を怖がり、無責任と言われ続けてきた、餌やり人たちは、すぐに安心をする事が出来なかった。
しかし、周囲の住民たちの視線が和らぎ、猫の事について怒られる事がなくなり、餌やりの時も、代表である猫嫌い主婦たちが
一緒に居てくれる事もある為、徐々に安心感を持てる様になっていった。
そして、捕獲・手術への協力、餌やりや餌場周辺の掃除や管理、などについても、協力をする様になっていった。


 無責任だった餌やり人たちは、心に余裕が持てる様になり、猫たちの手術目的の為の捕獲、餌やりと餌場の掃除や管理、などに積極的に協力をする様になった。
 手術の際の病院への送迎は、猫好きな住民たちが名乗り出て、車で協力をする様にもなり、猫30匹の手術は、約3ヶ月で一旦終了した。
 手術費用は、全額、町内会費から捻出された。住民たちからのカンパ、皆さんで行ったバザーの売り上げ金4万円は、必要な時の為に、プールされた。

H14.11.8日猫たちへの手術開始。病院は、横浜市の低料金病院を利用。
H14.11.25日メス8匹、オス2匹、計10匹の手術済み。
H15.2月、約20数匹の、生後半年以上の猫たちの手術が終了する。
残る子猫たちは、時期が来たら、手術を実施する予定。
 猫嫌いの主婦2人も、猫の病院への送迎、手術後の猫の一時預かり、に挑戦。今では、新たな協力者に対してアドバイスをしているそうです。
 現在、猫に関連するトラブルは、起きていないとの事です。しかし、これで終わりではなく、今後も猫たちがいる限り、皆さんは取り組みを継続していくそうです。

決して、順調に進んだ訳ではありません。仲間内で、住民間で、感情の行き違い、スレ違い、などなどは、多々ありました。
それでも、町内会副会長さんのご尽力により、紆余曲折がありながらも、猫嫌いな主婦2人、副会長さん、会長さんを中心として、餌さり人たちや他の住民の数名が力を合せ、最後まで頑張る決意をしました。

私のした事は、皆さんとお話をさせて頂いたこと、町内会の副会長さんと何度も電話でお話をさせて頂きながら、アドバイスをさせて頂いたこと、必要な資料をお渡ししたこと、物をお貸ししたこと、の程度に過ぎません。

今、この地区での未手術猫は、残る子猫のみとなり、一旦は一段落の状態になっています。猫の嫌いな住民の皆さんたちも、見守って下さっているそうです。この地区の猫数は、あと何年かすれば、確実に減っている筈です。何故なら、同様の地区は、既に多く実在するからです。

人の心にも猫の命にも優しい、猫問題の根本解決に最も有効的な方法は、「餌付け」 と 「避妊・去勢手術の実施」による、地域社会全体の為の新入り猫をも含めた、猫の徹底管理を、町内全体の理解と協力の下で、推し進めること以外にはありません。

その様な協力と助け合いのある町が増えること、その様な温かみと責任意識のある町で、未来を担う子供たちが心豊かに育まれていくことを、心から願って止みません。

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