2002.12.25 鳥取県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正について


鳥取県県民生活課食品衛生係 御中

はじめまして。東京都在住の櫻井と申します。

私は、保健所や市役所から、猫に関する苦情や相談のご紹介を受けて、各地域の問題発生現場に直接携わってきました。その他、広報・普及活動の一環としても、家なし猫(ノラ猫)の問題、家なし猫(ノラ猫)をめぐる人間の問題、飼い猫や飼主の問題、多等飼育の問題、などにも、多々携わってきました。同時に、私自身も、約20匹の猫を自宅内で保護し、地域の現場でも、約50匹近い家なし猫(ノラ猫)の世話などをしております。
町内会、役所、保健所、東京都のご理解・ご協力を頂き、東京都の「人と飼い主のいない猫との共生モデルプラン」のモデルケース地区にも、ご指定を頂きました。

猫問題は、飼主と猫との、2者間だけの問題に止まらず、社会、地域、住民にも、直接的・間接的な影響をもたらします。現状においては、猫の飼育に関する、正しい知識・情報の普及や浸透が、まだまだ遅れている、と言っても過言ではありません。問題の根本解決にむけては、行政と民間の双方の努力が、まだまだ数多く残されている、様に感じております。

以上の観点から、私自身が、地域の現場で、これまでに直接培ってきた諸経験や諸体験に基づき、此度の条例一部改正についての、私のお願いや意見を、是非ともさせて頂きたいと思っております。長くなりますが、どうぞ宜しくお願い致します。


まず、此度の改正に関する、私のお願い、をさせて下さい。

多頭飼育(生後91日・約3ヶ月に達した犬及びねこの10匹以内飼育)の届け出、罰則(届出をしなかったときや10匹以上飼育時の調査や指導や命令に従わないとき)、の制定により、下記の様な諸危惧(諸心配)が生じ兼ねないと思います。
故に、此度の改正内容の撤回と、民間の意見を反映させる為の再検討を、是非ともして頂けます様、切にお願い致します。


次に、上記のお願いについてのご説明を、させて頂きます。

1、多頭飼育の届け出及び罰則の制定により、下記の心配があると思います。

@猫の飼育に間する、正しい知識・情報の普及や浸透が阻害され、猫の遺棄、殺処分依頼が、増加し兼ねない。
A青少年に与える、地域社会の教育的役割や風潮が、命への軽視などの連鎖をも、引き起こし兼ねない。
B現状改善の為に、汗して善意ある行動をする民間の力を、衰退させ兼ねない。

@ 狂犬病法が制定されたことにより、遺棄犬の問題は、むしろ深刻になった影の1面がある事を、現場で直接犬問題に携わる民間ボランティアは、実感している筈です。
同時に、税金による犬の殺処分数が、相変わらず膨大な数に上り、毎年費やされる税金も、膨大な額になっている筈です。

猫の飼育については、全国的にみても、正しい知識・情報が、まだ充分に普及・浸透しているとは、言えません。猫を、間違った知識や情報の下で、安易に飼育する飼主は、残念ながら、多く存在します。
その根本的原因は、主に、行政や民間やマスコミなどによる、正しい知識・情報の提供不足、ブリーダやペットショップによる安易な飼育機会の過剰提供、がある様に感じています。
アメリカのサンフランシスコ、だったかと思いますが、ノラ猫、ノラ犬が膨大な為、ペットショップでの生態販売を、禁止にしているとのテレビ番組を、先日見ました。
日本の現状を鑑みれば、ブリーダ、ペットショップの生態販売についての、猫を飼育する機会である入り口段階への厳しい規制がないのが現状です。
これらの根本原因にも着眼をし、対策を講じて行かなければ、猫問題の根本解決は、期待が出来ない様に感じます。
行政や民間が、協力体制を構築し、正しい飼育に関する情報や知識の普及・浸透に、尽力をしていくこと、ブリーダやペットショップに対しても厳しい規制をかけていくこと、が何よりも、必要不可欠な事であると思います。

多頭飼育の届け出及び罰則の制定は、猫問題を、現状よりも一層深刻化させる危険性が、あると思います。猫を飼育しているにもかかわらず、猫の命を安易に考え、遺棄や殺処分を、繰り返し出来る飼主は、少なくない現状があります。
飼育数を、10匹にさえ留めれば良い、との安易な認識が導き出され、届出をせずに、猫を繁殖させては、子猫や成猫の遺棄、税金による殺処分への依頼や、無責任な飼主が増える、心配がある様に思います。その根拠は、現状における、ノラ猫数や遺棄猫数の多さ、税金による一向に減らない殺処分数の多さ、からも、垣間見る事が出来る筈です。

多頭飼育の届け出及び罰則の制定により、無責任な飼主の関心が、正しい知識・情報から遠ざかり、届出・罰則に移行されていき易い土壌が、生まれる様に思います。猫の飼育に関する正しい知識・情報の普及・浸透を、まずは全力で推し進める事が、今の最優先の課題だと思います。
現状においての、多頭飼育の届け出及び罰則の制定は、猫問題を根本解決から遅らせる方向に進み兼ねず、時期尚早である様に感じます。

他方、猫を飼育しない住民に対しては、猫の飼育に関する正しい知識・情報が、益々届かなくなる恐れ、が残ります。そのことにより、地域社会においての、猫の存在などについての好ましくない認識や風潮が形成され、猫問題の現状に対しても、悪影響をもたらす恐れが、生じ兼ねません。
事実、地域社会の風潮や地域住民の要求などにより、飼猫やノラ猫に関わる人間が、精神的に追い詰められたり、自殺に至ったり、猫の遺棄や殺処分に至るケースも、起きている現実が存在します。その様なケースでは、当事者たち心には、悲しみや憎しみだけしか、残ってはいきません。地域住民の人間感情にも、大きなしこりを残していく、だけでしかありません。その構造は、一種の集団による、少数への虐め構造とも、似た点があるとの感が、否めない様に感じます。
地域コミュニティー、高齢化、1人暮らし者の増加などの世の中の推移を考えた場合、この問題についても、無視の出来ない、とても重要な問題の様に感じます。

A昨今の多発する数々の、犯罪の低年齢化、動物への虐待や殺傷事件、殺人事件、などを鑑みても、多頭飼育の届け出及び罰則の制定は、上記@の理由により、青少年の情緒に対して、多大な悪影響を与え兼ねないとの心配を、拭い去れない様に感じます。

米国においては、動物への犯罪事件と、人間への犯罪事件との間には、因果関係があるとの報告が、既に出されており、猫の命から、生き物の命や人間の命へとも、連鎖していけることが、既に周知の事実の様に思います。
猫の飼育数を10匹までに制限し、その飼育数を超えた場合などに、罰則を与えるということは、終生飼育を前提とした、公的機関の運営する猫シェルターが設置されない限り、新たに生まれた猫の命があっても、または、今現在生きている猫の命があっても、10匹を超えた命については、処分をするという事にもつながります。

猫の里親探しの現状については、飼育希望者数よりも、猫数が、遥かに過剰な状態にあります。新たな飼育希望者の見つからない大多数の猫に対する、処分方法とは、遺棄をするか、殺すか、の二者択一の道しかありません。その意味する事は、命の処分、命への軽視、であると言っても、過言では無い筈です。

青少年たちは、身近に生きる猫や動物の命に対する、大人や親たちの考え方・姿勢・接し方・言動・行動・などから、直接的に多大な影響を受けます。大人や親の考え方・姿勢・言動・行動・などは、社会的や地域的な風潮から、直接的な多大な影響を受けます。社会的や地域的な風潮は、政治や行政からも、直接的な多大な影響を受けます。そして、動物の命に対するそれらの与える諸影響の全てが、私たち人間や未来に対しても、直接的に多大な影響をもたらしていくことを、無視は出来ない様に感じます。

猫の飼育に関する正しい情報や知識が、充分に普及・浸透が出来ていない現状におけて、多頭飼育の届け出及び罰則の制定は、私たちの未来を担う青少年たちの情操に、どの様な効果をもたらすかを、総合的な観点からも、再度慎重にご検討を頂ける事を、切に願っております。

B飼主の遺棄が増え、家なし猫(ノラ猫)が増えることは、地域社会内や地域住民に、直接的な悪影響をもたらします。同時に、最も私たち人間の身近で生きる、ノラ猫に対する地域社会の風潮・大人や親たちの姿勢等等は、地域社会内で暮らす青少年の心にも、目に見えない無形の多大な影響をもたらします。

地域社会内では、猫問題の根本解決や現状改善を願い、自らのお金と時間と労力を、惜しみなく費やし、飼主から遺棄された家なし猫(ノラ猫)を、自宅内で、または、外で、保護・世話をしながら、繁殖防止の為に、避妊・去勢手術を実施し、里親探しを行う、善意ある個人は、多く存在します。
その善意ある個人たちのご尽力のお陰で、現状の悪化が食い止められ、または、改善している地域は、多々存在します。その様な善意ある人たちの、自宅内、または、外で、保護・世話をする猫の数は、10匹以内には止まらず、80匹、40匹・・・、に上るケースも、少なくありません。私自身についても、家では約20匹、外では約50匹の猫に、繁殖を防止する為の避妊・去勢手術を施し、保護・世話をしています。

飼育猫数の限定、多頭飼育の届け出及び罰則の制定は、善意な民間の力を、発揮させ難くするのみならず、衰退もさせてしまいます。また、全体への諸影響を鑑みても、新たな善意ある力が、生まれ育まれていく土壌をも、無くしてしまい兼ねません。
地域社会内での、猫問題の現状悪化に対する善意ある民間の力が、注がれ難くなる環境が出来上がることは、全体的な状況が、更なる悪循環にも陥り兼ねない、様にもなると感じます。

猫問題の現状改善にむけては、光の当たらない、地道な民間の善意ある力が多く存在する現実に、注目をする必要があると思います。
行政、地域社会、民間の善意、が互いで協力をし合い、サポートし合う関係が、最も理想の筈です。行政は、率先して、民間の善意ある力を、新たな善意の力が生まれ育まれていく土壌を、地域社会全体と共に、サポートをし、その為の環境作りに、ご尽力を注いで頂く事が、地域社会や地域住民、未来を担う子供や未来を生きる私たちの為にも、必要がある様に思います。

2、上記の諸理由に基づき、改正を行う理由及び要点に関する、私の意見をさせて下さい。

@飼育する犬の数若しくはねこの数又はこれらを合わせた数(生後91日未満の犬及びねこの数を除きます。)が10に達した者は、県に届け出なければならないことを定めます。(以下省略)について

子猫や子犬が産まれ、生後3ヶ月に達した時点になり、子猫や子犬、または、成猫、成猫犬の、遺棄数・殺処分が、増加する心配が残ります。
猫は、1匹から、年に約15匹前後の出産をします。91日という制限、及び、10匹という数の制限は、猫問題を根本解決から遠ざける可能性を、否めない様に感じます。
一方、動物の愛護及び管理に関する法律でも謳われている、「終生飼育」にも、反することにつながり事態になる様に思います。

猫問題の現状改善の為に、多数の猫への避妊・去勢手術を実施し、自宅内や外でも、10匹以上の多頭保護・世話をする、善意ある民間の力を衰退させ、新たな力の生まれ育まれる土壌をも無くしてしまう、恐れの大変強い此度の改正要点は、地域社会などの全体に対しても、深刻な諸悪影響をもたらしていく様に感じます。

A動物愛護精神の高揚、動物の健康と安全の保持、動物による人への危害防止等を図ることを目的として、について

新たに生まれた猫の命、または、今現在生きている猫の命、があっても、10匹を超えた命については、処分、または、遺棄・殺処分をする事になれば、全体に与える諸影響を鑑みても、目的の1つである動物愛護精神の高揚に、明らかに反することになります。同時に、目的の1つである動物の健康と安全の保持にも、反することになります。更には、地域社会内での、家無し猫(ノラ猫)問題を悪化させる要因にも、つながり兼ねないとの心配が残ります。尚、動物による人への危害についての定義付けは、人命、への直接的な危害に止める必要が、あると思います。
それにより、条例の他の趣旨や目的をも、はじめて正しく生かせることにつながる筈だと思います。同時に、動物による人命への危害を未然に防ぐ為の、正しい知識や情報の提供に、一層のご尽力を注ぐ必要が、ある様に感じます。

Bねこ等の健康状態にも悪影響が出る可能性があるため、飼い主に対して適正な飼育方法などを指導する必要があります。 このため、多頭飼育者に届出を義務付けて実態を把握し、適切な指導を行うとともに、周辺環境への悪影響を未然に防止、について

如何なる分野においても、実態を正しく把握する為には、届出る書類内容のみについて審査をしても、限界が多々あります。実態を、どの様に正しく把握するか、課題の1つである様に感じます。一方、届出をする飼主は、責任感のある飼主であるケースが、殆どかと思います。その様な責任意識のある飼主は、届出を義務付けなくても、責任を持ち、終生飼育をする人が、殆どであると思います。狂犬病法の一連を鑑みても、届け出の義務付けは、全体を正しく反映しないことが、分かる筈かと思います。

猫に関しては、最も問題となるのが、責任意識の無い、安易な飼主たちの存在です。
これまでの活動の経験上、その様な無責任な飼主は、敢えて届けをせずに、遺棄、殺処分に意識が向く可能性が、強い様に感じます。その事の、地域社会や全体に与える諸悪影響や、税金面を鑑みた場合、最も深刻な問題になっていく様に感じます。

周辺環境への悪影響を未然に防止する為には、飼主が、繁殖制限せずに生ませた猫や犬を、責任を持ち、終生飼育をする様に指導すること、同時に、繁殖防止処置を含めて、行政や地域社会や民間が、協力をし合い、サポート体制作りにご尽力をして頂くことの方が、遥かに効果的だと感じます。

例えば、繁殖制限をするの為には、避妊・去勢手術をするしか、方法がありません。
しかし、現状では、1匹の避妊・去勢手術につき、約2万円前後の費用がかかります。
避妊・去勢手術の必要な猫や動物が、多数いる場合、飼主個人の金銭的負担が、多額に上り、事実上、手術が実施出来ない様な状況にも陥りかねません。
猫や動物への、繁殖防止の為の手術料金の問題は、猫や動物の問題を根本解決する為には、避けては通れない、非常に重要な問題であると言えます。

私の活動においては、猫の嫌いな人、猫に迷惑をしている人、家なし猫(ノラ猫)に関わっている人、猫の飼主、民間のボランティア、などの、猫への避妊・去勢手術をしたい人の為に、メスオス共に、1匹5,000円で手術をする、低料金の病院紹介をしています。
この金額は、神奈川県横浜市内や、東京都内の一部の、社会や地域への貢献意識の強い獣医さんたちが、設定している金額です。手術の安全面に対しても、常に細心の注意をしている為、低料金を理由とした事故の発生は、まだ聞いた事はありません。
この事は、社会や地域への貢献意識があり、且つ、安全面にも細心の注意を払う獣医さんならば、同様の料金設定であっても、充分手術を実施することが、可能であることの証明になります。

3、私の提案を、少しさせて頂きます。

平成13年3月、東京都の立川市において、遺棄猫47匹が遺棄された事件が発生しました。東京都の動物保護相談センターでは、全頭の猫に対して、無料で避妊・去勢手術を施し、センター内で死亡した猫たちを除き、1匹をも殺処分する事なく、私たち民間との協力の下で、全頭が救出されました。東京都で実現出来たこの1例は、鳥取県でも、実現出来る事なのではないかと感じます。

行政が、猫や動物の繁殖防止の為に、動物愛護センターを有効活用し、無料で手術を実施すること、または、多額の手術費用の助成金を捻出すること、更には、低料金での手術協力をする獣医さんを、個別で奨励していくことにより、猫や動物の問題は、一気に解決に向けて、前進していく様になると期待出来ると思います。

鳥取県が、全国に先駆けて、県としての税金による手術推進事業を、 実施をしていくことが、鳥取県に対する好感度を高め、鳥取県の発展にも、大きく寄与していけることに、つながる様に思います。長期的にみた場合、命に優しい方法と目的の下で、税金を手術推進事業に活用していくにより、鳥取県内での税金による、殺処分される猫や動物たちの命が減少していくこと、殺処分に費やされる税金が減少していくこと、将来的には、殺処分に費やされる筈だった税金を、他の分野にも有効活用していける様になること、が実現していける様になる筈です。同時に、鳥取県内における、不幸な猫や動物の命も減少していくこと、周辺環境への悪影響を未然に防止出来る様になっていくこと、地域社会における猫や動物問題の根本解決にも、つながっていくること、地域社会や住民にも、多大な恩恵がもたらされる様になっていくこと、命への優しさや思いやり・責任意識などをも、後世に対して正しく伝えていける様になること・・・、などの有形・無形の多大な恩恵を、もたらしていける様になると思います。そして、鳥取県での取り組みが、全国に対しても、素晴らしい諸効果を波及させていける様になると、期待も出来ると思います。

最後に、 鳥取県動物の愛護及び管理に関する条例の、精神や趣旨を実現し、鳥取県や鳥取県民、国民全体の将来の発展の為にも、是非とも、此度の改正要点や内容について、再度ご考慮を頂き、ご対処をして頂けますことを、切に願っております。
同時に、鳥取県内の地域社会の現場で、実際に日々汗を流し、苦労をして頑張っている、善意の民間の個人たちに対しても、活動のし易い土壌作りや環境整備をして頂けること、そして、私たち民間の、生の現場に即した経験や体験をも、有効にご活用をして頂けることを、切に願っております。

地域社会の現場で、実際に直接、猫や動物の問題に取り組んでいる、私たち民間の考えや発言には、時として、一部過激になる部分も、あろうかと思います。しかし、私たちは、地域や社会の為に、微力ながらではありますが、出来る事を是非とも、貢献させて頂きたいと考えております。
是非とも、暖かいご理解とご配慮を頂けます様、そして、猫や動物の問題に関する現状や、此度の改正に関する、私たちの考えや意見が反映されます様、心よりお願い申し上げます。

どうぞ宜しくお願い致します。

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